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【公演インタビュー】平原慎太郎|6/22 – 23 OrganWorks『聖獣〜 live with a sun 〜』 | BLOG | NPO DANCE BOX

2019.6.19

【公演インタビュー】平原慎太郎|6/22 – 23 OrganWorks『聖獣〜 live with a sun 〜』

INTERVIEW

2013年よりダンサー・振付家である平原慎太郎が主宰となり主に舞台作品の企画運営、振付、舞台衣裳、映像作品、楽曲、広報デザイン等を制作する団体として活動を始めた 「OrganWorks」。2016年トヨタコレオグラフィーアワードにて「次代を担う振付家賞」「オーディエンス賞」をW受賞され、今作品は2017年に発表された受章者公演をさらにバージョンアップしての再演となります。関西初上陸のこの作品について、振付・構成・演出の平原慎太郎氏にお話を伺いました。

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(1)2017年の初演から2年が経ち、その間、カンパニーとしても平原慎太郎氏個人としても多様な活動を展開してきた中で、『聖獣』という作品に対して変わった印象はあるか。

 初演の『聖獣』は「虫」という、僕らヒトとは異なる時間の流れを生きて来た生命体への強い関心と、「個と集団」という、極めてヒトらしい関係性や社会的構造への僕なりの思考がリンクして作品化したものです。「虫」に関する種々の書籍、図鑑にあたり身近に見ることができる「虫」は観察もし、姿形や動きをダンスに織り込み、ヒトの身体との差異を視覚化できたと思っています。

 2018年末から始まった、再演ツアーのためのリ・クリエーションでは、リハーサルの初期段階から、「虫」についてさらに掘り下げる必要はないと自分の中でジャッジしました。作中、改めて焦点を当てたいと考えているのは「ヒト」について。「ヒト」の持つ様々な特性を、「虫」と比較することで明確にする。両者を対比することで浮かび上がるものを、ダンスとして舞台上に固定したいと考えているんです。さらに、そこにはイメージのコラージュだった初演よりも、はっきりとしたストーリーのうねりが生じつつあるのです。

 そして最終的には、タイトルである「聖なる獣」の「聖」性について向き合いたい。我ながらよくぞつけたというデキたタイトルで、初演から2年を経てようやく、僕の発想が『聖獣」に追いついてきた、というのが現状です。

「虫」「ヒト」「聖」の三すくみの構図から立ち上げ、あるいは最終的に三位一体になるような、次回作の構想も膨らませつつ日々のリハーサルに取り組んでいます。

 

(2)ダンスシーンの中で、カンパニーとしての活動を展開することの想い、難しさ、可能性について。

 OrganWorksでは昨年から、カンパニーをただダンス作品を創作するだけでない、育成や交流、ダンスの普及に関する事柄にも対応できるよう、少しずつ体制を整えて来ました。振付家育成講座「Terra Co.」、既存作品の映像を上演しながら僕やメンバーが創作過程の振り返りや解説を行う「トリセツ」、作品ごとに学生を対象に無料でリハーサルを公開する「オープンリハーサル」、僕と各界識者によるトークセッション「ブレスト」など、通常のワークショップやクラスでの指導に加え、カンパニーとしての活動の幅もグッと広がっているのが現状です。

 結果、確実にOrganWorksとしての集団性、メンバーの意識や士気も高まっている。あるダンス作品の企画・運営を共同で行うのがダンス・カンパニーとするならば、今のOrganWorksはその領域を超え、ダンスを通して自分たち人間同士の関りを、厚くしているところがあると思うんです。だから、簡単に出入りできる集団ではないし、「オーディションを実施して新しい人を加えよう」とも安易には思えません。

 他のカンパニーに出向き、別の演出家から学ぶことがダンサーのスキルを上げるために必要な時もあります。けれど日本では、そうやって場を変え、カンパニーを渡り歩いたところで、すぐに仕事に結びついたり、評価が上がる訳ではありません。

 ならば自分のベースとなる集団、カンパニーとしっかり結び合いながら創作に加え、日本のダンスを巡る環境にも働き掛ける活動を共にする、OrganWorksのようなカンパニーや、集団性があっても良いと思うのです。その点で、僕たちの活動に今、確かな手ごたえを感じていますし、カンパニーだからこそできることは、今後も増えていくと確信しています。

 

(3)今回の上演を見ていただきたい方はどんな方か、その方々へのメッセージをお願いします。

 僕の中で今、「関西」と聞いてまず思い浮かぶのは昨年、追手門学院高校の表現コミュニケーションコースでワークショップを実施したこと。ドラマティーチャーとして演劇をツールに同校で教鞭を取る、いしいみちこ先生、福岡小百合先生の指導が素晴らしく、どんな課題にも照れず気負わず取り組み、自分の見聞や表現を自らの言葉で言語化することまでできる。思春期の、感性が最も磨かれる時期にたっぷりとダンスや演劇、音楽、美術などの芸術分野に触れ、刺激を受けた子どもたちは、こんなにも柔軟に生きられるのかと感銘を受けました。

 いしい先生、福岡先生と同じように、と言うのはおこがましいけれど、僕自身もやはりなるべく若い世代にOrganWorksの作品世界に触れて欲しいと切実に思っています。小学生たちと一緒に行う体験型の作品などは別にして、『聖獣』はやはり高校生を中心に中学や大学の学生たちに是非とも観ていただきたい。ただ「観る」というより、作品が孕む熱やそこから噴き出すものを、浴びるように頭脳と心と体の全てで感じてもらえたなら、きっと新しい感性の扉が開くのではないでしょうか。

劇作家・演出家・作家・詩人・歌人の寺山修司は「書を捨てよ、町に出よう」と言いましたが、僕はさらにその先にある劇場に、若い方々に来ていただきたい。一人でも多くの、フレッシュな学生の皆さんとの出会いがArtTheater dB KOBEであることを楽しみにしています。

 

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OrganWorks『聖獣〜 live with a sun 〜』

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  • 日時:2019年6月22日(土)14:00/19:00・23日(日)15:00
  • 会場:ArtTheater dB Kobe(神戸市長田区久保町6-1-1 アスタくにづか4番館4階)
  • 料金:前売一般 ¥3,500/25歳以下 ¥2,500/高校生以下 ¥1,500

WEBページ:https://db-dancebox.org/program/3186/

 

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