コンテンポラリーダンスという言葉が流通するようになって久しい。 1980年代当初、世界でも日本でもカンパニーやグループによる公演が中心であったが、 現在はフリーランスな活動を展開するコレオグラファーやダンサーが増加し、 百人いれば、百様の表現があるように言われている。 近年は特に<身体>を言語や映像等のメディアと交錯させるなかで、 従来のダンスの境界を越えようとするコンセプチュアルな作品が増加している。 昨年、東日本大震災を経験した私たちは、初めて或いは改めて、<生命>について考える機会をもった。 このような状況のなかで、ダンスというアートはどのような表現を選択していくのか。 アートにおけるダンスの特性は、まぎれもなく身体で、また身体を表現することにある。 これからダンスを目指す人たちは、その身体に内在する普遍性と 同時代性を新たに読み直し、表現化していくことが求められている。 「国内ダンス留学@神戸」では、振付けやダンスの技術を習得するということに留まらず、 多様な角度から、現在から未来のダンスの可能性を探求していく試みである。

NPO法人DANCE BOX エグゼクティブディレクター 大谷燠



2012年8月から2013年3月までの8ヶ月間を通して、振付家/ダンサーにとって必要なことを基礎から<学び>、その後<作品づくり>に取り組み、<上演する>までの一連のプログラムを行います。 ほぼ全てのプログラムを<劇場>で実施します。つねに本番を意識した中で、様々な試行と実践を繰り返すことができます。 また、数多くのダンスプロジェクトを切り盛りしている制作現場に日々接することになりますので、自身の活動を今後どのようにつくり、流通させていくのか、実際の現場を通して考察する機会となることでしょう。 同時に、DANCE BOXで所蔵している希少な舞台芸術関係の書籍や、過去のDANCE BOXプログラムのアーカイブ・ビデオなど閲覧することも可能です。DANCE BOXという場をフルに使いながら、当プログラムに取り組んでください。