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【レポート】Artist In Residence 2024 ジュン・グエン=ハツシバ編

2024年度、海外からアーティストを招聘し、新長田を拠点にリサーチをベースとした滞在制作を行う「DANCE BOX Resident Program2024」。

今年度は、二人のアーティストをお迎えします。一人はベルリンよりイム ジエさん(10月2日~10月31日)、そして10月16日~11月16日の1ヶ月間、ヒューストンからジュン・グエン=ハツシバさんによる滞在制作を行います。

※11月9日からはアシスタントのチャン・グエンさんも来日し、こども対象のアートワークショップ(11月9日開催)を実施します。

2024年10月16日(水)

3台のスーツケースとリュックサックともう一つの手荷物とともに、関西空港の到着ゲートに現れたジュン・グエン=ハツシバさん。
三宮駅からタクシーに乗ったら、運転手さんが新長田に詳しい。話を聞けば奄美群島の沖永良部島出身とのこと。新長田は奄美群島のなかでも特に徳之島出身の方が多い。友人に会いに、また食材を購入しに、新長田にはよくいらしていたとのこと。そうこう話しているうちに、あっという間に新長田へ到着。
ハツシバさんにとって新長田は二度目の滞在。前回は2014年、「KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #3」(キュレーター:塚原悠也)。維新派の松本雄吉さん、ダンサーの垣尾優さんとの三者で『Sea Water|Nước Biển』を制作・上演した。長田港から人間の体内の水分量の海水を運び、劇場内に置かれたさまざまな容器に移し替えながら、それらの海水を長田港に再び還した作品だった。その作品へと至るまでには、劇場に水路をつくり海水を周遊させる案が出てくるなど、兎にも角にも粘り強くいろんなアイデアを揉み続けた印象が残っている。
今回は1ヶ月の滞在。10年ぶりの新長田に再開し、じっくりと新長田を廻り出会ったなかでハツシバさんが眼差すことは何だろうか。

(横堀)

*写真は新長田を自転車で周遊中に立ち寄った「したまちのえきロッケン」にて撮影いただいた。ありがとうございます。

この記事に登場する人

ジュン・グエン=ハツシバ

1968年東京にて日本人の母とベトナム人の父の間に生まれ、幼少時代を日本で過ごした後、アメリカで教育を受ける。現在、ヒューストン(アメリカ)在住。
2001年より難民や社会的少数派をテーマに取り上げた「メモリアルプロジェクト」シリーズを発表、国際的に注目を浴びる。ベニス、横浜、イスタンブール、シドニーなどで開催されるビエンナーレ・トリエンナーレの国際展に参加。
グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館、ポンピドゥーセンター、森美術館などに作品が所蔵されている。

2024年10月22日 時点

チャン・グエン

イラストレーター兼アーティスト。水彩画を専門とし、鮮やかで表現力豊かなビジュアルで創造的なコンセプトを生き生きと表現する。
2022年6月、グラフィックデザインの専門知識を高めるためにDPIセンターで15か月間のプログラムに参加。
2023年10月、「表現力豊かな水彩画のイラスト」と「現代のグラフィックデザインの手法」の垣根を越え融合させたプロジェクトである「The Lost Book of Joy」でThink Different Awardを受賞し、高く評価された。
2024年には、アーティストのジュン・グエン=ハツシバとコラボレーションする機会を得て、デザイン的な思考をもってワークショップを協働で開催する。そして、グエン=ハツシバの人生と芸術の旅を軸とした、本のプロジェクトに取り組みます。

2024年10月22日 時点

横堀ふみ

神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を新長田での滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。日越の文化芸術交流を目指したユニット「VIAN」メンバー。京都市立芸術大学非常勤講師。
photo by Junpei Iwamoto

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