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【レポート】Artist In Residence 2024 イム ジエ編

2024年度、海外からアーティストを招聘し、新長田を拠点にリサーチをベースとした滞在制作を行う「DANCE BOX Resident Program2024」。

今年度は、二人のアーティストをお迎えします。一人はベルリンよりイム ジエさん(10月2日~10月31日)、そして10月16日~11月16日の1ヶ月間、ヒューストンからジュン・グエン=ハツシバさんによる滞在制作を行います。

イム ジエさんの滞在制作もほぼ2/3の行程が経過しました。
「朝鮮半島を由来とした舞踊が、各地でどのように継承されているのか」関係者へのインタビュー、リハーサルや公演の立ち会いなどを主軸に行っています。

併行して、高齢者の方々が通う複数のデイサービスに出向き、エクササイズもナビゲート。
イム ジエさんがお住まいのベルリンでは、ダンサーの身体と向き合う機会が多く、ご年配の方々とのこのよう場はなかったとのこと。身体の美しさに惚れ惚れすると。
10月17日、在日コリアンの高齢者の方々のデイサービスでの場に私も立ち会うことができました。
趙恵美さんのチャング(太鼓)の音が響く中、マイクを向けると民謡を歌うおばあさま方。
オッケチュム(肩の踊り)が広がっていきます。「オルシグ!」などの掛け声も入り、場は一挙に最高温度に。たくさん笑って歌って踊った30分。ギフトのような時間でした。

趙恵美さんがコーディネーターでなければ、成立しなかった今回の滞在制作。趙恵美さんらが運営する「スタジオ・長田教坊」から徒歩3分のhouse next doorに宿泊しながら、共に暮らすかのようにリサーチを進めたイム ジエさん。どのような1ヶ月であったのか、報告会でお聞きしたいと思います。

(横堀ふみ)

この記事に登場する人

Olivia Kowk

イム ジエ

イム ジエはベルリンとソウルを拠点に活動する振付家/ダンサー。ソウルで韓国の伝統舞踊を学び、ベルリン芸術大学にてソロ/ダンス/オーサーシップの修士号を取得。長年にわたり、コンテンポラリーダンスと伝統舞踊という2つの言語の間で、独特の振付を実践してきた。

彼女の芸術的な関心は、身体を動くアーカイブとして捉えることです。つまり、伝統と現代性、個人の思い出と文化的な記憶、移動性とホームとの関係における文化的な経験と記憶の担い手としての身体を観察することにあります。彼女の作品の原動力は、彼女自身の移民経験にあり、彼女はそれをダンスで身体的に反映させています。

彼女は2024年のピナ・バウシュ・フェローシップを受賞し、ドイツのtanz Magazineで2014年にHoffnungsträgerin(有望なアーティスト)に、韓国のGaeksuk Magazineで2015年にYoung Leading Artistに選ばれた。

写真:Olivia Kowk

2024年10月8日 時点

ホ サンホ

趙恵美

コリアンダンサー/コリアンパーカッショニスト  9歳から舞踊を始め、日本、韓国で様々な舞台に出演。 現在はコリアンダンサーとして、朝鮮と韓国舞踊に軸を置き創作活動を行う。 韓国伝統打楽器奏者としても音楽講師を務める。 舞の旅プロジェクトでは、国籍を外した本当の自分を追求し、舞を通してあるがままの自分を正直に表現する。

2024年5月27日 時点

横堀ふみ

神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を新長田での滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。日越の文化芸術交流を目指したユニット「VIAN」メンバー。京都市立芸術大学非常勤講師。
photo by Junpei Iwamoto

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