2022年度DANCE BOX アソシエイト・アーティスト / アソシエイト・ダンサー発表
2022年度DANCE BOX アソシエイト・アーティスト
小松菜々子(こまつ・ななこ)
2022年度DANCE BOX アソシエイト・ダンサー
高瀬瑤子(たかせ・ようこ)
武井琴(たけい・こと)
楢崎如乃(ならさき・ゆきの)
2022.06.22
この度、DANCE BOXでは、アソシエイト・アーティスト/ダンサーの公募を行いました。6月8日・9日と<面談と実技>による選考を行い、上記の通り、1名のアソシエイト・アーティスト、3名のアソシエイト・ダンサーと決定いたしましたので、ご報告致します。
コロナ禍を経験し、アーティストやダンサーを取り巻く環境は大きく変わりました。不確定で見通しのたたない約2年間は、活動を再開/継続するにあたって、創作や表現の根本を改めて探る時間となっていたこと、しかしながら、数々の機会の喪失は、各々の活動や思考に大きく影響を与えていること、それらが今回の応募への強い動機へと変換されていたと感じます。どのアーティスト/ダンサーにも、新たな機会や表現への追求への貪欲さと独自性があり、選考は難航しました。その中でも、現在の膠着した状況を、力強く突破し、次のフェーズへの飛躍を予感させた4名を選出いたしました。アソシエイト・ダンサーは「国内ダンス留学@神戸 8期」のプログラムに併走しながら、その他のDANCE BOXプログラムにも参画します。アソシエイト・アーティストは、2月4日・5日をめざしてフルレングスの新作を制作します。創作環境と公演現場等を行き来した年間を通じた活動を共に進めていきます。
NPO法人DANCE BOX
【コメント】
実は最近、劇場のある新長田の駅前の水やりとゴミ拾いを時々しています。永遠に出てくるタバコの吸い殻、陽当たりが良くてカラカラの土。ひっそりと作業をしながら自分が街に染み込んでいくような感覚があります。一年前にこの街に越したばかりなのに気づけばわたしも街の一員です。街に影響されて自分が変化していく。自分は街の一部であるし、街が拡張された自分だと感じることがある。新長田に影響されながら作品を作ったら、作品は街の一部になり、街が作品の延長上になることはできるのだろうか?この面白すぎる街を反射した作品を作りたい。この途方もない挑戦を関西の実家のような劇場ダンスボックスで繰り広げようと思います!
【コメント】
40という数字を目前とした今、今までのように踊れなくなるだろうと諦めや不安を感じていました。
ある作品に参加した時、新しい身体表現の可能性がまだまだあることに気付かされ、ステージごとに出来ることがあると知りました。
2人の子供を出産し、産前産後の身体の変化に驚き、神秘を感じ、落胆している時に「今ある新しい身体で出来ることを」と言葉をもらいましたが、頭では理解できても心が追い付きませんでした。今、やっと頭と心が繋がってきたように感じています。
そんな今ある身体を探求したいと緊張と楽しみで身震いしています。
新しい可能性を探求し続け、多様な人たちが交流するDANCE BOXと協働できることを嬉しく思います。
【コメント】
ダンス留学5期卒業後、社会の状況や自分を取り巻く環境が大きく変化していく中でも、活動を継続できたのは、留学中の経験や繋がり合うことができた人々のおかげだと日々感じています。ダンスや暮らしの在り方を模索する中で、今一度自分の身体に立ち返り、表現の畑を耕したいという思いに至った私は、再びダンスボックスの門を叩きました。こうしてまた新たにdBアソシエイト・ダンサーとして”新長田”と再会し、恵まれた環境のもとで学びを享受できる喜びに心が湧き立っています。ダンスボックスと協働する中で、劇場内外を往来し、さらにその外側に広がる地域や社会へと活動を波及することができるダンサーを目指します。
【コメント】
「踊る」というのは凄いことです。誰かは私に「踊れるって凄いね」といいます。たしかに、踊りを通して人や世界に出会ってきました。でも誰もが踊りのリズムを身体の中に持っています。
「踊」は「足」に「甬」と書きますが「甬」は打楽器の「鐘」の意味と「持ち上げる」という意味をもちます。つまり「リズムをもって• 足を持ち上げる」行為そのものが「踊り」なのです。だから「歩く」ことも踊りであると思います。新長田の駅からdBまで歩く、それぞれのリズムでdBへたどり着いた沢山の誰かと踊る。そんな凄い事をdBに関わる沢山の人と共有すべく、自分の呼吸と空間にまじめに向き合いワクワク時間を創出していきたいです。