RRAレポート 豊田ゆり佳
劇場<ArtTheater dB KOBE>を拠点に自身の表現探求や身体の鍛錬のための実験的なリサーチやダンストレーニングなどを行う、国内ダンス留学@神戸10期『dBリサーチ・レジデンスアーティスト(dB RRA)』。 5月7日〜6月7日に滞在の豊田ゆり佳さんによる活動記録を公開します。
豊田ゆり佳 【滞在期間:5/7〜6/7】
5/7 | 新長田到着/DANCE BOX(dB)スタッフとの打ち合わせ |
5/8 | 新長田の街歩き |
5/9 | 何かに触れてみるリサーチ |
5/12 | やさしいコンテンポラリーダンス参加 ✏︎ 目を瞑って誰かに何かを触れさせてもらう行為を経験 |
5/15 | 「バイソンギャラリー」の訪問 |
5/16,17 | 何かに触れてみるリサーチ |
5/18 | 丸山地区をリサーチ ✏︎ 空き地を利用した畑活動参加&アートスペース「バラックリン」の見学 |
5/24 | デイサービスでダンスのナビゲート ✏︎ おばあちゃんたちとハグし合うダンス |
6/1 | 商店街でティッシュ配りのパフォーマンス ✏︎ ティッシュ配りを介して他者との触れ合いについて考える |
6/3,5 | ヴァイオリニストの北澤華蓮とセッション ✏︎ 音と踊りの関係性を探る |
6/6 | 映像作品作成のため撮影 |
6/7 | デイサービスでダンスのナビゲート ✏︎ おばあちゃんたちにKPOPを教える |
バイソン見学 |
ヴァイオリニスト北澤華蓮と実験 |
Q1 レジデンスの目的を教えてください。
新長田の街をそもそも知ること、街の人々と関わりながら人に触れることについて考えること。
Q2 どのようなリサーチや実験を行いましたか?
劇場内では、以前受けた「やさしいコンテンポラリーダンス」でのワークで目を閉じて劇場内にある物を触れるワークを1人でやってみたり、 ヴァイオリニストの友達を呼んで即興的に演奏・踊るワークを行ったりしました。
デイサービスでのワークショップでおばあちゃんたちにエクササイズとして相手に触れることや身体のもみほぐしを行うこと、 またリズムに乗っていること自体をダンスとし、音楽に乗る行為をなん度も繰り返したりしました。
そして、新しくオープンするクリニックでのティッシュ配りパフォーマンスではティッシュを 介した他者との接触について考えるきっかけになりました。 ティッシュを配ることで少しだけ手と手が触れているという点に気づき今後深くほって行きたいことだなと思いました。
Q3 新長田の好きな場所を教えてください。
喫茶パープレイが好きでよく通っていました。
Q4 印象的な瞬間を教えてください。
デイサービスでのおばあちゃんたちのワークショップで“ハグをする”タスクを用いたときに、全員思いの外笑っていたことが印象的でした。コロナ禍を経て、デイサービスや介護施設などでは他者と接触することを憚られていたゆえにこのようなギャップが起こったのかもとも思いました。
Q5 なにか収穫はありましたか?
たくさんありました。東京から新長田に来て、新鮮なことばかりだけどどのように東京と違うのかということは案外説明しづらいと思っています。そこで私と同じく新長田に来たことのない友人たちを呼び、街を案内するとそれぞれ気づく点が違うことがわかります。各々のお気に入りポイントがあり、私もその人たちの気づきポイントを聞いて改めてそこをよくみたり考えたりすることができました。 滞在している時間が違えば、街中を歩いていて気づく点も変わるし、その滞在時間の差による視点の違いはとても面白いなと感じました。
Q6 今後の展望を教えてください。
私のレジデンス期間は終了しましたが、まだ国内ダンス留学10期のメンバーであるためまた近々講座を受けたりふらっと新長田に来れたらと思います。今回は劇場での成果発表をしませんでしたが、いつかダンスボックスで作品を発表できたらいいなと思っています。
協力者
・森めぐみ(アーティスト)
・北澤華蓮(ヴァイオリニスト)
・梶原康紀(アーティスト)
この記事に登場する人
豊田ゆり佳
1999年生まれ。4歳よりクラシックバレエを始める。2017年 立教大学現代心理学部映像身体学科入学。振付家・ダンサーの砂連尾理に師事。 2021 年東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻入学。2023 年パリ国立高等美術学校 ( École Nationale Supérieure des Beaux-Arts) に交換留学。
2024年5月8日 時点