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【レポート②】国内ダンス留学@神戸 for TEENS

国内ダンス留学@神戸 for TEENS とは・・・

202484()から10()7日間、DANCE BOX / ArtTheater dB KOBEを拠点に、8種類のダンスワークショップと 公演に向けた作品づくりを行ないました。6期目となった今年度は10歳から16歳の通し参加者12名と、5歳から12歳まで の単発参加者6名の計18名が参加。素直で、個の強さが光る瞬間や互いに刺激し合う瞬間が多く、とても濃密な7日間を 送りました。

▶︎ 国内ダンス留学@神戸 for TEENS【旧子どもダンス留学】についてはこちらから

2024年8月5日(月)スケジュール

高瀬瑶子「バレエ」
鈴木優「合気道」
中村駿&武井琴「クリエーション・リハーサル」

 
 


 
 
『国内ダンス留学@神戸 for TEENS』2日目。
バレエで普段使わない足は攣り、合気道では人生初の「瞑想」や呼吸を実践しました。今回のレポートはDANCE BOXインターンの豊岡芸術文化観光専門職大学生3名に書いていただきました。
 
 

 

10:00-11:30 バレエ

最初に身体の使い方を学び、バーレッスンからスタートしました。プリエ、タンジュ、ジュッテ、エシャッペなどに挑戦。美しい動きは想像していたよりもハード!膝を伸ばすことやアンディオールに注意をしながら、慣れない動きにも真剣な面持ちで取り組んでいました。次のフロアレッスンではバーレッスンでやったことを移動しながらやってみたり、ピケやシャッセなどバレエの動きを学びました。ステージの上を回ったり跳びながら進む様子はとっても華麗でした。最後にはバレエ組曲『くるみ割り人形』より「トレパック」に挑戦。この曲の振り付けはコサックダンスがベースになっています。振り付けが二列に分かれたり、ペアになり腕を組んで回る振り付けがあったり、みんなすっかり慣れ親しんだ様子で楽しんでいました!(さわちゃん)
 
 

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12:15-13:45 合気道

2コマ目は合気道のクラス!
武道とダンスに一体どんな関わりが?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の身体は一体どのように佇んでいるのか、どのようなアプローチをすればこれまでしたことのない形や動きを獲得できるのかに向き合う道筋で、相互に学べることは決して少なくないのです。まずは「音」を聞くことから。周囲の音に始まり建物の更に外の音、逆に体の内側の音などを、ときには同時に想像して耳をすませることで意識を丹田へと集中させていきます。続いて声を使い身体の細胞を振動させる感覚を追いながら、呼吸のコントロールへと心身を集中させていきます。この一連は「呼吸法」とも呼ばれ合気道の流派によっては稽古と同様の時間をかけるほど、大切な要素だそうです。子どもたちもそれぞれの呼吸へ集中していました。後半はペアになり、掴まれた相手を解き転がすやり方を学びました。「安定打坐(あんじょうだざ)」という方法論を用いて、目の前の相手や他者との比較に固執することなく、脱力した気持ちのいい状態で相手に向き合うやり方を教わった子どもたちは、最初は今までにない身体のつかいかたに苦戦していたものの、最後には大人も軽々と倒す姿が見られるなど実践の中で感覚を掴んでいたようでした。「天地投げ」という立位で行う難易度の高い技にも挑戦し、「受け」も上手く使いながら何度も組手を変え熱心に習得を目指す姿は大変逞しくかっこよかったです!終わりには暗くした劇場で3分間の瞑想。心身ともに集中した状態から緩やかにリラックス状態へとリセットしクラスは終了しました。「相手にとらわれない」「場を主宰する」といった合気道の考え方は、きっと最終日の成果公演にとどまらず、人生のこれからの随所でぶつかった壁を突破するヒントになるはずです。クラスを終えた子どもたちの背中からそんな確信のもてる、学びの多いクラスとなりました。(すずの)
 
 

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14:00-16:30 クリエーション・リハーサル

本番に向けた振り入れの続き……ではなく「長田妖怪でごでこ音頭」を踊ってみることからはじまりました。一般的な盆踊りより少し難易度の高い振付になっていますがそのキャッチーさに子どもたちも虜に。音頭の後は、一列になって先頭に立つ人の真似をし、ベルの音が鳴る事に先頭を切り替えていくワークを行いました。ベルが矢継ぎ早になって行くにつれ誰が先頭か分からなくなり自然と円が形成されていくことがとても印象的でした。次に、チラシを使ったワークを行いました。最初はチラシを様々な角度から吹いてみたり、ペアになってお互いに吹かれて形を変えていくチラシの真似をしたり。そしてチラシを吹く要領で身体で風を起こしたり声に身体を反応させたりペアだけではなく複数で反応し合う様子もありました。チラシ越しに手を合わせ、徐々に身体の部位を触れ合わせながら移動するペアワークでは、人も、身体の触れる場所も、代わる代わる移動していくなかで最後は全員がつながり、まるでスイミーのようでした。チラシを挟んだ距離から身体の動きに反応し、触れ合い、自然と壁がなくなっていくさまが興味深かったです。後半は、音楽に合わせた振付を覚えました。独特なリズムが振付にも反映されていて…。細かく音を刻むのは少し難しそうにも見えましたが最後は息ぴったりのパフォーマンスを披露してくれました。また、緞帳幕の役割についても学びました。本番で使う舞台装置を目の当たりにし落ち着かない様子でしたが、幕が開いた瞬間の目の輝きから、本能的にその役割を理解しているようでした。(ひびき)
 
 
 
他にも日常生活では見知った存在なのに、舞台上で出会うとなんだか新鮮に見えてくるあれやこれやが登場して…自由になった様々なマテリアルに身体が素直に反応し舞台上の景色をくるくると展開させていく様は、このメンバーでしかできないクリエーションが立ち上がりつつあることを予感させ、どんな作品が出来上がるのか今からとても楽しみです!(すずの)

この記事に登場する人

Masaaki Tanaka

高瀬瑶子

幼少よりモダンバレエを始め、16歳より橘バレエ学校にてクラシックバレエを学ぶ。出産を経て進化/退化する身体との対話を重ね、”骨で動ける身体”をテーマにダンサーとして活動中。ジゼル・ヴィエンヌ、白井晃、森山開次、中村恩恵、近藤良平、青木尚哉等の作品に出演。近年では能や演劇、光など他ジャンルとの協働により生まれる表現も探究している。また、ダンサーならではのアプローチで子どもの教育に携わるべくワークショップなども行う。

2024年5月8日 時点

鈴木優

1984年、大阪生まれ。
2017年より内田樹師範の主宰する道場、凱風館で合気道を始める。合気道三段。

2024年6月5日 時点

Shu Kanai

中村駿

高校入学と同時にダンスを始める。ブレイクダンスをルーツとし、大学時代からコンテンポラリーダンサー・振付家として活動を開始。学校、空港、海外でワークショップを行ったり、街中や競馬場でのパフォーマンス、MV出演、オペラ振付と幅広く活動している。
長塚圭史、近藤良平、森下真樹、遠田誠、鈴木ユキオ等著名振付・演出家の作品に多数出演。
横浜ダンスコレクションEX2014 コンペティションII 最優秀新人賞受賞。
「SAI International Dance Pre Festival 2017」SAI Award (1位)受賞。
東京2020オリンピック開会式出演。

2023年4月6日 時点

Kengo Kawatsura

武井 琴

神奈川県出身。立教大学 現代心理学部 映像身体学科 卒業。幼少よりクラシックバレエをはじめ、大学在学中よりテーマパークパフォーマーとして活動。「国内ダンス留学@神戸5期」修了後、ダンサー・コマ撮り映像作家として創作活動を開始。「身体」と「映像」を媒体に、歴史や文化、自然、人々の営みを軽やかに切り取る独自の表現を追求。2022年度ダンスボックスアソシエイト・ダンサー。

2023年5月8日 時点

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