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国内ダンス留学@神戸10期 集中プログラム【B】振付理論と身体哲学

9月に実施した集中プログラムで濃密な時間を過ごした10期アーティストたち。一度はそれぞれの拠点に戻った10期アーティストたちが、再び新長田に戻ってきました。
そして、10月7日(月)-11日(金)にかけて実施した「集中プログラム【B】振付理論と身体哲学」に取り組みました。
コンポジションや舞踊史など奥深い「振付理論」と「身体哲学」の世界に、若きアーティストたちは体と頭をフル回転させながら、自身の身体に落とし込んでいきました。
さらにバラエティ豊かな朝のトレーニングクラスも始まりました。
その様子を受講者の視点でレポートします。

スケジュール

【B】振付理論と身体哲学

【10/7~10/9】
▶平原慎太郎 〈時間と空間の構成配置=コンポジションを学ぶ〉

まずはダンスにおけるコンポジションとは、時間と空間の構成と配置であることを学び、そして、コンポジションを作り上げるために身体を客体化するというタスクに3日間取り組みました。モダンダンスからポストモダンダンスの時代になるにつれて興隆した身体の客体化というアイディア。このような舞踊史にも触れつつ、客体化の概念を頭で理解し、そして身体でアウトプットしてみる。とても丁寧で贅沢な学びの時間になりました。

書き手: dBアソシエイト・ダンサー 中村風香

 


舞踊史や客体化についての講義

歩く,しゃがむなどシンプルなタスクを用いてコンポジションを学ぶ

 

【10/8】
▶横堀ふみ 〈制作講座【2】企画のすすめ方・進め方〉

理想の活動スタイルについて首都なのか地方なのか、ソロなのかコレクティブなのかを想定し、それを実現させるための企画の立て方や、何の費用を抑え何にお金をかけるべきなのかなど活動をしていくためのお金の使い方を考えました。
また、ひとつの活動方法としてアーティスト・イン・レジデンスの仕組みについてこれまでの事例を紹介していただきながら学びました。

書き手:dBアソシエイト・ダンサー 杉浦ゆら

 

【10/8,9】
▶︎宮脇有紀+María de los Ángeles Pais〈Stretch Your Eyes〉

新長田の街に転がっている看板や什器を身体で測ってみるなどしました。普段ある何気ないものを身体のスケールに当ててみたり、それを他人のスケール感とまた比べてみたり。見てはいたけど、触ったことないものに触れる新鮮さもありました。商店街の中を身体を使って、対話することや観察、見て想像することは、何気ないことから作品が生まれるきっかけにもなると感じました。

書き手:dBクリエーション・レジデンス・アーティスト 石田満理佳


身体を使って物の長さを測る

集合写真

 

【10/10,11】
▶︎児玉北斗 〈振付とその時代:歴史から未来を構想する〉

現在〈コンテンポラリーダンス〉と呼ばれているダンスの成り立ちを、講義形式で学びました。なんでもありのダンス、と表されることもあるこのダンスの掴みにくさの要因には、これまでのダンスの歴史が深く関わっていることを知りました。歴史を過ぎ去ったものとせず、今日にまで繋がっている地続きのものとして捉えられるようになりました。

書き手:dBアソシエイト・ダンサー 山下桃花

 

◉朝のトレーニングクラス

【10/7】
▶中西ちさと〈ヨガで空白の時間をつくる〉

集中プログラム【B日程】最初のクラスは、国内ダンス留学@神戸1期修了の中西ちさとさんによるヨガのクラスです。呼吸を連動させながら上半身から下半身まで丁寧に伸ばしていきます。呼吸とともに動くことで体がより伸びたり、左右差を感じたり。”今”に集中し、自分自身の身体の内面を観察していきます。日常生活ではなかなか過ごすことができない空白の時間となりました。

書き手:dBスタッフ 杉本昇太

【10/9】
▶︎アラン・シナンジャ〈アフリカンダンス〉

「”アフリカンダンス”はない」。アランさんが冒頭に仰った言葉が印象的です。国や地域によって異なるたくさんのダンスがあるアフリカ。今回はアランさんの出身地であるトーゴの南の地域のトラディショナルダンスの一部を学びました。伝統的なリズムと一体になった身体はとても気持ちがよかったです。最後にはアランさんが通っていたセネガルのダンス学校のことや日本に来た理由などこれまでの人生についてお聞きする時間もありました。

書き手:スカラシップアーティスト 大貫友瑞

【10/10】
▶︎内田樹〈合気道〉

合気道とダンスの近さと違いについてお話ししていただきました。自分を空にして、通り道として他者と対峙する合気道の感覚はダンサーの観客の前での対峙とも通じるものがあるように思います。実際の組手では相手ではなく、まず自分の中心線を揺るがさないことを教えていただきました。空と中心、とてもシンプルで尚且つ複雑で難しく、永遠の問いが合気道を通して私たちの舞台芸術にも問われているように感じました。

書き手:dBリサーチ・レジデンス・アーティスト 小松菜々子

 

【10/11】
▶︎鞍掛綾子 〈Listening Body〉

おへその後ろの『そへ』を意識しながら伸びたり縮んでみたり。自分の右と左を交換したり境界線を超えて身体を感覚してみたり。普段の自分の身体との出合い方とは違う鞍掛さんの声かけとともに、また新しい自分の身体の楽しみを見つけていくような時間でした。最後には各自がこの時間で何を感じたかを言語化しシェアすることで、感覚と言語両面から身体と向き合いました。

書き手:dBリサーチ・レジデンス・アーティスト 小松菜々子

 


DETA

【B】振付理論と身体哲学

期間:2024年10月7日(月)〜11日(金)
時間:10:00-17:00、または、-20:00 途中休憩あり
講師/ファシリテーター:平原慎太郎、児玉北斗、内田樹、鞍掛綾子、宮脇有紀+María de los Ángeles Pais 他

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