RRAレポート 岸本茉夕

劇場〈ArtTheater dB KOBE〉を拠点に、自身の表現探求や身体の鍛錬のためのリサーチやダンストレーニングなどを行う『dBリサーチ・レジデンス・アーティスト』。2025年度は4月〜6月の約3か月間に16組のアーティストが滞在します。
今回は、6月1日〜6月8日にかけて滞在した岸本茉夕さんの滞在記録を公開します。
岸本茉夕
【滞在期間:6月1日(日) – 8日(日)】
6月1日
12:00-
・新長田到着
・めいりんでランチ
・千鶴屋のコロッケ頬張る
16:00-18:00
・劇場見学&場慣らし
19:00-
・ラビットハウスで夕食&会議
6月2日
10:00-14:00
・劇場稽古
14:30-20:00
・ミャンマーカレーTeTeでランチ
・古本屋を求め元町へ行く
「1003」と「本の栞」に向かう。
21:00-
・みんなでWork In Progress(以下、WIP)のビジュアルづくり
6月3日
10:00-14:00
・studio PLOWで稽古
14:00-16:00
・出石そば いづもでランチ
・新長田合同庁舎
18:00-20:00
・はっぴーの家ろっけんに行く
6月4日
8:00-10:00
・喫茶パープレイでモーニングwith 秋田乃梨子さん、篠崎芽美さん、櫻井拓斗さん
10:00-14:00
・劇場稽古
・15:00- 喫茶パープレイでランチ
19:00-22:00
・居酒屋富士でスペシャルを堪能
6月5日
10:00-14:00
・劇場稽古
14:00-19:00
・新神戸駅までゆきロープウェイに乗り神戸布引ハーブ園へ向かう
フィールドワークにて
6月6日
10:00-16:00
・劇場稽古
・協力者アーティスト安藤保佳・森山千代 合流
6月7日
8:00-10:00
・喫茶パープレイwith 秋田乃梨子さんとモーニング
10:00-18:00
・劇場稽古
・協力アーティスト藤井直美 合流
18:00-
・通しのFeed Backと夜ご飯
6月8日
10:00-15:00
・WIPの準備
16:00-WIP
・Feed Back &ふりかえり
WIPにて
Q1 レジデンスの目的を教えてください
「嘘をつく」という個人のテーマを元に、今生活している場所から離れて制作を行う事でどう変化があるか。
色々なはじめてに出逢うことを目的としていました。
Q2 どのようなリサーチや実験を行いましたか?
身ひとつで”光る”という事について。
どの状態が光っていると言えるのか。
光っていると感じる状態・状況を通じて、身体で体現したりロジック的に対話を重ねました。
絶対に光ってはいけないダンス/絶対に光るダンスを試したり、光らないで光ることを試したりしました。
光るもの探しは、とてもわくわくしました。
クリエイションにて
Q3 印象的な瞬間(エピソード)があれば教えてください
滞在期間中、嘘をついてしまった というより、言葉が上手く出てこないという状況にたくさん直面しました。 乱雑で明瞭でない言葉をこぼしてばかりでしたが、いつも大事に拾ってくれたり、時には一人で回っているのを黙ってそっと見守ってくれました。決して強要せず、クリエーションメンバーがいつまでも柔らかく待ってくれていたこと。何度も救われました。 そして、きれいな場所でも、見方によってはそうでなかったり、身震いするような場所も、人によっては、光になることを知りました。それらのことを、いつまでも忘れないでいたいです。
ダンスボックスの不思議について
初めて訪れた時から視覚的には劇場なのに、居心地がお婆ちゃん家のような安心感がありました。視覚と体感のズレが大きくて、ずっと心奪われていました。
Q4 今回のリサーチで収穫はありましたか?
滞在期間のフィールドワーク・リサーチを経て、今の自分にとって作品は、表現する手段では無く、自分を隠すための手法かもしれないと思いました。
また、劇場とダンスが切り離されているのでは無く、全て繋がっていることを新長田の街からまなびました 。日常が劇場だという言葉が忘れられません。日々が光っていればいるほど、その光以上に何があるのか。クリエーションをする上で、純粋に向き合うきっかけになりました。
Q5 dBスタッフ鈴木と撮影した写真について / 撮影場所を決めた理由
「レジデンス施設 駒犬邸/ラビットハウス」
滞在期間、何があってもここに居て、どんな時もここに帰りました。
レジデンス期間中何度も夜が足りないと何度も思いました。
創ることと生活が地続きだとより感じられた愛おしい場所です。
パティスリー・ド・ロマンでクリエーションメンバーの誕生日ケーキを買う
Q6 今後の展望を教えてください
『-スピン光物語-』
膨らませて、場所を変えながら、上演していきたいです。
WIPにて
リサーチ協力者(敬称略)
クリエイションメンバー:
狩野瑞樹
竹内日菜乃
星和也
岸本茉夕(振付家・ダンサー)
協力アーティスト:
森山千代
安藤保佳
藤井直美
中山穂春
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))|独立行政法人日本芸術文化振興会
この記事に登場する人
岸本茉夕
2001年生まれ 神奈川県出身
桜美林大学芸術文化学群 演劇・ダンス専修卒業。在学中ダンスを木佐貫邦子に学ぶ。
人は自分を探す為に色々な事をすると思っていて、私は踊る事で自分を探し続けて現在に至る。今すごく遠い場所へ行きたいと思っている。他者の世界に興味を抱きながら、旅するように作品を創ったりして活動を続ける。
2025年6月3日 時点