国内ダンス留学@神戸11期 集中プログラムA【レポート】
いよいよ国内ダンス留学@神戸11期「集中プログラム」が始まりました。
ダンスボックスには、Dance Residence Arttist(DRA)6名を中心にSolo Dance Artist(SDA)うち4名、Creation Residence Artist(CRA)1名、およびスカラーシップアーティスト2名の計13名が集結。9月22日(月)〜26日(金)にかけて「集中プログラムA」に取り組みました。
豪華教師陣による踊り漬けの日々。濃密な一週間を過ごした様子を、彼ら、彼女ら自身のレポートでお届けします。
集中プログラム【A】
期間: 2025年9月22日(月)〜26日(金)
時間: 10:00〜19:30の中で開催
講師/ファシリテーター: 西村未奈、中間アヤカ、藤澤智徳、横堀ふみ
クラス内容は ▶︎こちら から
スケジュール

【9/22-24】
▶︎中間アヤカ〈鬼リピの果てダンス〉
単純な二歩のステップに囚われながらも、時にレールを外れることで、常に新しい場が立ち上がっていきました。また客観的な視点を持ち続け、場に不足しているものを瞬間的に判断する力が問われた時間でもありました。結果として動作の重複が空間そのものを拡張していく実体験につながり、身体と空間の関係性を再考する機会となりました。
書き手:dB Creation Residence Artist 橋本真那

【9/23-26】
▶︎西村未奈〈沈みながら飛ぶ方法ー『微炭酸な身体とゾンビのゲップ』編〉
外から様々な情報を取り入れる事が出来る開けたカラダで、自分が曖昧になっていく感覚を堪能しました。不安定なカラダに出会う度に驚いてばかりいました。心やカラダが閉じている感覚は無く、未知の明日へ向かっている状態が毎回更新されていました。いつの間にかゲップが出ていました。凄まじい経験でした。
書き手:dB Dance Residence Artist 岸本茉夕

【9/25- 26】
▶︎藤澤智徳〈とりあえず教科書どおりにダンス(と酒と歌)を作ってみる〉
魏志倭人伝のたった1文をもとに、周辺史料を参照しながら当時のダンスに思いを馳せ、藤澤さんのドラマトゥルクとしての作品の膨らませ方にも触れることができました。15分間ぐるぐると回って同じダンス・歌を繰り返しているとだんだん自他の境目が無くなってきて、最後はただその瞬間に溢れるエネルギーを感じていました。次は1時間!
書き手:dB Solo Dance Artist 火野7

【9/22-23】
▶︎横堀ふみ〈制作講座〉
2日目にはプロフィール文をつくるために、これまでの経験・•経歴や、つながりがある人や施設を「資源」と定義して書き出すワークを行ないました。自分の手持ちのカードを列挙する作業は、内省的で少し辛くもありました。しかし、「資源」という言葉によって、自分が出来ること・したいことを現実的な視点で淡々と洗い出すことができました。
書き手:スカラーシップ 中尾優里

この記事に登場する人
中間アヤカ
別府生まれ、神戸在住。英国ランベール・スクールでバレエとコンテンポラリーダンスを学んだ後、文化庁・NPO法人DANCE BOX主催「国内ダンス留学@神戸」1期に奨学生として参加。これまでに黒沢美香、木村玲奈、contact Gonzo、チェルフィッチュ等の作品に出演。 ダンサーとしてキャリアを始め、近年は自身の作品創作にも積極的に取り組んでいる。2019年にArtTheater dB Kobeにて初演した中間アヤカ&コレオグラフィ『フリーウェイ・ダンス』は、TPAM国際舞台芸術ミーティングin横浜、KYOTO EXPERIMENT、クンステン・フェスティバル・デザール、ポンピドゥ・センター等で上演を重ねる。 「ダンスとしか呼ぶことのできない現象」を追い求め、それが現れる瞬間を他者と共有するための「仕掛け」を創り出すことに挑戦している。 2018-2020年度DANCE BOXアソシエイト・アーティスト。第16回(令和4年度)神戸長田文化奨励賞受賞。セゾン文化財団2024年度セゾン・フェロー。 神戸市長田区の木造長屋を改装したパフォーマンスとミーティングのためのスペース「house next door」オーナー。
2024年6月10日 時点
西村未奈
ニューヨークを拠点に、禅思想の影響を受けながら導管としての身体を起点とした様々な形態の表現活動を行う。山崎広太に舞踏や即興ダンスを師事する一方、先鋭的な振付、演劇、美術作家との共同制作や作品参加ほか、アーティストSIAとの共演、Miu Miu短編映画「女性たちの物語#14」(監督: セシリア・ロールソン・ホール)、映画「アフター・ヤン」(監督: コゴナダ)出演など。’17米ダンスマガジン ベストパフォーマンス賞、’19現代芸術財団賞(FCA アワード)、’21~’23 Danspace Project(NY)レジデンスアーティスト。近年作品に、連作「エクソシストの反対語を探しながら、森の地図を描くこと」(Danspace Project / Jacob’s Pillow Dance Festival 2022-24)、「ゾンビになる練習」(BMCM + AC 2023)、「へーつー。」(天使館 2024)、「幽閉の劇場と8感のラップ」(WWFes 2025)など。米ベニントン大学所属、プリンストン大学、サラ・ローレンス大学、エマーソン大学ゲストアーティスト。遠隔靈氣プラクティショナー。
2025年5月11日 時点
藤澤智徳
1993年生まれ。長野県中野市出身。大学在学中よりNPO法人DANCE BOXが主催する「国内ダンス留学@神戸3期」制作者コースに参加。関西を中心にダンス公演や芸術祭の企画制作やドラマトゥルクとして活動。民間商業劇場に就職後、2019年Uターンし、一般財団法人長野県文化振興事業団に入団。芸術文化推進室・アーツカウンシル推進局(信州アーツカウンシル)を経て、2025年より現職。ドラマトゥルクとして中間アヤカ『フリーウェイ・ダンス』(2019)、『踊場伝説』(2023)など。
2025年5月11日 時点
横堀ふみ
神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を新長田での滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。日越の文化芸術交流を目指したユニット「VIAN」メンバー。京都市立芸術大学非常勤講師。ON-PAM(舞台芸術制作者オープンネットワーク)理事。
photo by Junpei Iwamoto


