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国内ダンス留学とは?

会場:ArtTheater dB 神戸
料金:一般前売2000円 / 一般当日2500円 ・ 25歳以下1800円 (前売・当日共通)
   高校生・長田区民・障がい者・介助者1500円(前売・当日共通)
   (中学生以下は無料)
※受付開始は開演の45分前
※開場は開演の20分前。受付順にお渡しする整理券の番号順にご入場いただきます。全席自由席。

 「国内ダンス留学@神戸」は、NPO法人DANCEBOXによる、次代の振付家・ダンサー・制作者を育成するプログラムです。
成果上演は、2期生のプログラム全体を締めくくる公演です。
2作品がショーイング公演後の審査を経て、山本和馬による振付作品『逃ゲノコウテイ』は60分間のフルレングス作品への挑戦、
そして、内田結花による振付作品『父の「形式」』は30分間の作品をさらにテーマを掘り下げ、追求します。

 これからの社会と向き合い、対峙していく若手アーティストの葛藤や、ぶつかり合う価値観をありのまま伝えるために。
そして私たちが今ダンスを踊る意味をつかむために、成果上演ですべてをさらけ出し、全力で表現します。
この場所で立ち上がる身体と出会い、心に刻み込まれる瞬間がそこにあります。

【成果上演に向けての選考過程について】

 ショーイングの2作品はとても趣きの異なる作品でした。
 山本和馬振付作品「逃ゲノコウテイ」は多様な振付の引出しがあり、それらの振付手法を緻密に構成している点、微妙なアレンジがある点、空間の使い方等が評価されました。内田結花振付作品「父の『形式』」は、初めに明確なテーマを設定し、そのテーマに沿って女性の存在を普遍性と同時代性の視点から表現した点、さらに照明バトンを下げて空間を限定した点等が秀逸でした。

 選考は最終の成果上演に向けて、30分の作品を60分に再構築することの可能性を重視することが基本でした。そこで振付言語の豊富な山本作品が選ばれました。ただ、この作品の強度を向上させるためには、作家が現在、最も表現したいことを練り直す事の重要性を再考してほしいと思います。
 一方、内田作品のテーマと身体の在り様の面白さを、別方向からテーマ性を掘り下げることでの伸びしろに期待したいとの意見が一致し、再度30分の作品を作ってもらうことになりました。

 さて、ショーイングから2ヶ月あまりの期間で、2つの作品がどのように成長したのか、皆様と共に楽しみたいと思います。

 (DANCE BOX 代表 大谷燠)

作品詳細

振付:山本和馬
出演:川瀬亜衣下村唯中根千枝



【text】
彼らはなぜ逃げているのか、そして何処へ行こうとしているのか。
世の中は常に進んでいる、めまぐるしく変化をしている。
その中に存在する彼らは、何を考えているのか。
彼らはそこでは速すぎるのか、遅すぎるのか。

3人の身体が、思考が、想いが「逃げる」様を目撃してください。
それが私たちの肯定です。

振付:内田結花
出演:内田結花川瀬亜衣藤原美加



【text】
少し似ているわたしたちは少し違う
父(あるいは誰か)の言うことはわたしには少し違う(かもしれない)
誰か(あるいは父)の言うことはわたしには少し合わないときがある
(そうじゃないときもある)
抑圧されずに飛んでください、とわたしの母は言いました。
飛ぶ方法をかんがえる。
わたしと父(あるいはあなた)は少し違う

来場者特典

上映日時:3月21日(金)(A)15:00 / (B)15:45 /(C)16:30 /(D)17:15
        22日(土) (E)10:30  (上映時間:約30分間)
会場:神戸映画資料館(アスタくにづか1番館2階/ArtTheater dB神戸より徒歩3分)
※今回の上映は「国内ダンス留学@神戸」2期生成果上演の来場者のみが対象です。
 成果上演のご予約の際に、映画観賞の希望の回を(A)~(E)から選んでお申し付けください。

【概要】
第5回神戸ドキュメンタリー映画祭(2013年10月)のオープニング作品として、神戸在住の映画監督・濱口竜介が撮り下ろした。ダンスという身体表現を映像化することは可能か、という問いとともに作られた本作は、ダンサーだけではなく、街、行き交う人々、そこに吹く風など、すべてのものがダンスするさまを写し出すものとなった。

製作:神戸ドキュメンタリー映画祭実行委員会
監督:濱口竜介
撮影:北川喜雄、野原位、濱口竜介

【監督プロフィール】
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ) 映画監督。1978年生まれ。東京大学文学部を卒業後、映画の助監督やテレビ番組のADを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。2008年、修了制作の『PASSION』が国内外の映画祭で高い評価を得る。その後も日韓共同製作作品『THE DEPTHS』(2010)、東日本大震災の被災者へのインタビューから成る映画『なみのおと』(2011/共同監督:酒井耕)、4時間を越える長編『親密さ』(2012)を監督。現在は神戸に拠点を移し、新作を準備中。

【濱口竜介監督から2期生へ】 「国内ダンス留学@神戸」2期が始まった当初から、時折訪ねてはカメラを回している。長く回したからと言って、変化が別段見て取れるわけではない。カメラに写るのはいつでも「そのときの、そのひと」でしかない。姿形が短期間で激変するわけもないのだから、当たり前だ。 ただ、変化はある日突然「驚き」として現れる。その「驚き」は、僕が彼/女らのことを見て来たこと、知っていることとはまったく関係がない。目の前で起きていることがただの「そのときの、そのひと」ではないこと。時間を自らに堆積させた身体が、その時間を溢れかえらせるとき、こちらは驚くしかない。どうしたらそんなことが起こるのか、知らない。起こるときもあれば、起こらないときもあるし、激しいときも、静かなときもある。 3月の成果上演でもカメラを回す。驚くかも知れないし、驚かないかも知れない。それでもカメラは回っている。

【上映に寄せて_黒沢美香/ダンサー・振付家】 ここにいると思えば消えたり場をうねってくり抜いて待つ。待って待ちぶせたら放火して忍びいるそういうダンスの最中に映像カメラがきた。ダンサーは真面目すぎる変わり者の集まりだ。異常なこと、正しいこと、正しすぎて異常なことが小さな街に集まって、その一つにダンスが混じる。これがダンス映画ではないところにクラっときた。

【上映に寄せて_惠花/神戸市立地域人材派遣センター】 何度かコンテンポラリーダンスを見る機会がありましたが、私の理解力の乏しさで、中々ダンスを理解することができませんでした。でも濱口監督の「DANCE FOR NOTHING」を見させて頂き胸が震え、そしてぐんぐん映像の中に入っていく自分を感じました。 私が初めて、コンテンポラリーダンスを身近に感じ、少し理解ができたような瞬間でした。

講師からの応援コメント

ウォーリー木下(戯曲家・演出家・フェスティバルディレクター)
この国内ダンス留学という方法は実はとてもうらやましくて、
僕が若い頃に演劇でもこういう場所があったらだいぶ違っただろうなと思う。
劇場という場所で作品をつくりながら、様々な出会いをして、現場のことを学べるのはとてもラッキーなことです。
そのラッキーを次のラッキーに繋げられるといいですね。
そして10年後とか20年後とかにつながる作品ができるといいですね。応援してます。

西川文章(サウンドエンジニア・音楽家)
"身体、音がどんなことになっていくのかわくわく期待しています"

北村明子(振付家・ダンサー)
楽しくも苦しくも、、、あたりまえの前提をひっくりかえしながら、自分のダンスをしっかりつかんでください。
ダンスの中のダンスから、ダンスの外へと電波するからだ、期待してます!

三浦あさ子(舞台照明家)
面白い作品を一緒につくりましょう!

鈴木ユキオ(ダンサー・振付家・カンパニー「金魚」主宰)
2期生の皆様、お元気ですか。一緒に体を動かして色々話しましたね。
多様な考え方や体に触れて混乱することもあったかもしれませんが、
あとは迷わず自分のやりたいことを突き詰めてくださいね。
楽しみです。

中西ちさと(ダンサー・振付家・パフォーマンスグループ「ウミ下着」主宰)
絞って絞って漉して濃くして。
新長田の光を浴びて空気を吸って育った作品を、楽しみにしています。

武藤大祐(ダンス批評家)
人間なので、野性には戻れないかもしれないけど、
せめて野良になって、 ムチャクチャやりましょうよ。
大きいことを。

鞍掛綾子(GAGA Japanプロデューサー・振付家・ダンサー)
今年もみんながとても素敵な時間を仲間と共に過ごし、学んでいるのを感じます。
そんな環境を選んで来た皆さんが費やす貴重な時間の経過を、私も楽しみにしています。
創るひともそれを踊るひとも、たくさんのことを吸収しあいながら、最後まで頑張ってください~

岩淵多喜子(Dance Theatre LUDENS主宰・振付家・ダンサー)
9月の後半に[拘りを形にする]というクラスをやりました。言葉から、造形から、感情から…色々試しましたが、結局のところ、手法であるhowは色々例を上げられても、作品づくりの核になるwhat、一番大切なところについては創作者本人からしか生まれ得ないものですよね…今年の振付家コースの一人一人の拘りが、最終的にどんな風に作品となっていくのか、コースの途中経過に携わった一人として、また一観客として、とても楽しみにしています。頑張ってください。

隅地茉歩(ダンスカンパニー「セレノグラフィカ」主宰)
求めているものは全部、既に自分の中にあると思います。
「絞って」みて下さい。びっくりするものが出て来ますよ。

阿比留修一(ダンスカンパニー「セレノグラフィカ」主宰)
ダンスを踊ったり、振り付けたり、人と一緒だったり、人の前だったり。
ダンスは沢山の力と希望が溢れているはず。
そんな幸福に満ちた時間と空間を、自分という身体でいきいきと生きてください。

黒沢美香(ダンサー・振付家)
踊るとは異常なことです。へんなことです。へんな人がいることが豊かさにつながります。
あなたはすでに異常なことに向かっていますから人類はまだ生きられる。
ありがたい。踊ってくれるなんてありがとう。

塚原悠也(ダンサー・ダンスカンパニー「contact Gonzo」)
とりあえず、いまあるもの全部ぶっ壊して欲しい。
僕らが立ってる根拠ごと。
みんなそれを待ってる。
全部ぶっ壊れた後にまだ立ってられたらどこでもなんでもやれる。

岡登志子(「Ensemble Sonne」主宰)
クラスの中で皆さんの眼差しが日々研ぎ澄まされていくことを感じています。
作品を拝見するのを楽しみにしています。
頑張って下さい!!!

大野慶人(舞踏家)
思い切りの良さと丁寧さのある、キラッと輝く、明日のある舞台であってほしいと願います。
学ぶ姿勢はすばらしかった。感動しました!

文化庁委託事業「平成25年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
主催:文化庁 NPO法人DANCE BOX   企画:NPO法人DANCE BOX 助成:財団法人 文化・芸術による福武地域振興財団
制作:中村麻子、冨吉浩太郎、平野ミドリ
運営スタッフ:大谷燠、文、横堀ふみ、田中幸恵、西岡樹里  舞台監督:大田和司  照明:三浦あさ子、茂木紀恵  音響:秘魔神  宣伝美術:升田学  WEB製作:内山大