DANCE BOX

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下町芸術祭2021 山下残『そこに書いてある』

新型コロナウィルスの感染拡大が長引き、ますます仮想の世界が広がる現代社会となってきました。お祭りで人が集まって、肩を寄せ合って観劇するような、これまでコミュニティが紡いで来たハレの場は、一気に減少しています。

生存の為に、制限している数多くのこと。しかし、人と人とが出会うハレの場が、人々やコミュニティの生存を支えるものであったことも同時に痛感します。

どんな状況下であれ、私たちは、これまでも、これからも、一つとしかない生命を燃やしながら生きていきます。ダンスには、その身体のなかに燃える炎が、ダンサーや出演者を通して見えてくるのです。

下町芸術祭2021のDANCE BOXプログラムの劇場公演の一つ目、山下残『そこに書いてある』は、鑑賞よりも体験するという言葉が近いかもしれません。何度も味わいたくなるコンテンポラリーダンスの名作の再演です。すべての観客の方に100ページある1冊の本を手渡します。膝上の本と舞台上を往復しながら、言葉とダンスのあわいを楽しみます。さぁ、ご一緒に、ダンスとずっと遠くまで出かけましょう!

アーティストよりコメント

『そこに書いてある』 は2002年3月の初演から、だいたい6年か7年おきに再演する、自分にはこれ以上のものは生涯つくれないだろうなと思う、まごうことなき代表作です。

観客の方すべてに100ページある本をお配りするため、一冊ずつの作業に手間が必要になり、いまダンスボックスにいる横堀さんが、初演の時に伊丹アイホールの楽屋で手伝ってくれていて、本番を観てもらえず悪かったなという申し訳ない気持ちがこの20年近くの間ずっと続いていたのですが、観てくれていたんですね!

この度は下町芸術祭からお声がけを頂いて心から光栄で、同時に、今来たかぁという感じもやはりあります。

会場に人が集まれないということになれば、当日収録して、観客の皆さんには本をお送りし、後日配信という形になるかなと思いますが、できれば客席の現場で周りの皆さんと同時に本をめくるライブを感じて頂きたいです。

構成はほとんど変わりませんが、出演者には初演からの宮北さんと、新しく益田さんと畑中さん、他にも公演地域に合わせたゲストや、シーンのアレンジがいくつかありますので、初演時の本を大切に家で保管してくれている人も、当日お配りする新長田バージョンの本を手に取ってぜひお楽しみください。

山下残

 

クレジット

構成・演出・振付:山下残

出演:畑中良太、益田さち、宮北裕美、山下残

三田宏美、大城桜子、KAZUKI、中村千穂、西村京子、合田果央、田口葵彩、小菅葉月、首藤心優、首藤勇雅

山賀ざくろ、ビッグ腹ダイス[中谷紹公、綿貫功一、衣笠宥清、山本豊久]

ブックデザイン:納谷衣美

舞台監督:浜村修司

音響:宮田充規

照明:三浦あさ子、青山愛

手話通訳:三田宏美

記録撮影:岩本順平

協力:水野響子(本製作)、中井敦子(イラスト)、荒木瑞穂(前口上・おかん)

 

アーティスト情報

山下残

1970年大阪府生まれ。主な作品に、100ページの本を配り観客がページをめくりながら本と舞台を交互に見る「そこに書いてある」、スクリーンに映写される〈すう・はく〉の呼吸の記号と俳句から引用されたテキストを身体とリンクさせる「せきをしてもひとり」、ダンス作品をどうやって作ったらいいのかわからない日々の記録を声にする「横浜滞在」、本物の線路の上で断片から成る世界の事象をつぶやく「大行進」、バリ島からのオンラインレッスンを通じてバリ舞踊を習う「悪霊への道」、身振りや台詞の全てを対面する相手からの承諾を得て実行できる「インビテーション」などがある。

 

下町芸術祭とは

下町芸術祭は、神戸市長田区を舞台に2年に1度開催しているアートフェスティバルです。地域が持つ魅力を、アーティスト独自の視点により作品やパフォーマンスに映し出します。今年は新長田南部だけでなく、丸山地区までエリアを拡大。下町の日常に溶け込んだアートをお楽しみいただけます。ダンスボックスではパフォーマンスプログラム「ダンスと出かけよう!」を展開します。

下町芸術祭2021公式ウェブサイトはこちら

 

日程

2021年10月16日(土)、10月17日(日)

時間

①2021年10月16日19:00 ②10月17日11:00 ③15:00開演

会場

ArtTheater dB KOBE

料金

・前売:3,000円
・割引(長田区民・U25・障がい者・介護者・高齢者(65歳以上)):2,500円
・5歳〜小学生:500円
・中高生:1,000円

※当日券は各200円増し
※0歳〜4歳のお子さんは、託児サービスをご利用ください。
→10/16 11:00の回にあります
託児サービス料金:子ども2,000円/人(メールにて要事前申し込み)

対象

5歳以上

ご予約

チケットのご購入はコチラ
※新型コロナウィルス感染防止のため、本公演のチケットはオンラインでのご購入をお願いいたします。

お問合せ

NPO法人 DANCE BOX
TEL 078-646-7044
MAIL info@db-dancebox.org

クレジット

主催 : 文化庁、NPO法人 DANCE BOX

文化庁委託事業「令和3年度障害者による文化芸術活動推進事業(文化芸術による共生社会の推進を含む)」

 

この記事に登場する人

山下残

1970年大阪府生まれ。主な作品に、100ページの本を配り観客がページをめくりながら本と舞台を交互に見る『そこに書いてある』、スクリーンに映写される呼吸〈すう・はく〉の記号と俳句から引用されたテキストを時間差で身体とリンクさせる『せきをしてもひとり』、ダンス作品をどうやって作ったらいいのかわからない日々の記録を声にする『横浜滞在』、本物の線路の上で断片から成る世界の事象をつぶやく『大行進』、バリ島からの遠隔コーチを通じてバリダンスを探求する『悪霊への道』、無血革命と呼ばれた2018年マレーシア国政選挙を現地取材した記録作品『GE14』などがある。

2023年4月9日 時点

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