DANCE BOX

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神戸・長田のちいさな子守唄

子守唄の記憶はありますか?
神戸市長田区は韓国・朝鮮、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、奄美諸島など、様々なルーツにつながる人々たちが暮らす地域です。同区に拠点を構えるNPO法人DANCE BOXの新しいプロジェクトが始まりました。
2021年7月〜12月に、神戸市長田区内やその近くに暮らす、アジアの地域にルーツのある9名の方に出会い、「子守唄」や、自らのルーツにつながる「子守唄」や、子守唄にまつわる思い出などを聞かせていただきました。そして、お聞きしたエピソードの一部や計10曲の歌詞を載せた、絵本『神戸・長田のちいさな子守唄』をつくりました。
絵本の完成を記念して、「読み聞かせ会&ワークショップ」と3つの「トーク・プログラム」を展開しました。

期間

2021年7月〜2022年1月

会場

KICC(公益財団法人神戸国際コミュニティセンター)ほか

料金

無料

リサーチの様子
 

完成記念トークイベント・プログラム ※延期になりました
わたしのまちのものがたり~海をこえたうたとダンスとおはなし会~

第1部では、『神戸・長田のちいさな子守唄』の紙芝居を制作し、読み聞かせ会を開催。子守唄を聴きながら、その世界を絵と言葉と共に味わいました。
第2部のワークショップ「韓国の伝統楽器で感じよう、踊ろう、つながろう」では、5歳〜小学3年生を対象に、韓国の4つの伝統楽器の音やリズムにのって身体を動かしながら、感じたことを自由に表現するダンスプログラムを行いました。

日程:2022年3月20日(日)11:00/14:00
第1部:読み聞かせ
第2部:ワークショップ
会場:神戸市立新長田図書館
参加費:無料
ゲストアーティスト:趙恵美

 

 

関連トーク・プログラム

1.ベトナムと長田をつなげる歌謡文化と子守唄

ベトナムには、様々な形式をもった奥深い“歌謡文化”が育まれ、暮らしの中に「うた」は大切な要素として息づいています。近年、ベトナム人の居住者が著しく増加している長田。「うた」を切り口にベトナム文化を紐解きます。前半は、ベトナムとオンラインで繋ぎ、ベトナムの子守唄の解説と実演を行い、後半は、在日ベトナム人・コミュニティーの長田での歌謡文化に迫ります。

日程:1月23日(日)15:00-17:00
会場:KICC(公益財団法人神戸国際コミュニティセンター)
参加費:無料
定員:30名(予約優先)

ゲスト:
DAM QUANG MINH(ハノイ在住/歌謡研究者)
ファン・チォン・クォン(長田区在住/元「ベトナム国立青年劇場」所属)
MC NAM(神戸市在住/ラッパー)
進行:横堀ふみ(「ながたのこもりうた」プロジェクト・リーダー)

 

 

 

2.「うたのしくみ」から見る、こもりうた アジア編
絵本は、個人が記憶する子守唄を中心に、それにまつわる思い出や各地域での暮らしに焦点を当てています。このトークでは、絵本でとりあげられた10曲の子守唄を「うた」そのものとして聴きなおし、リズムやメロディー、歌詞や声がいったいどのようなつくりになっているのかを掘り下げ、その魅力に迫ります。

日程:1月29日(土)13:00-15:00
会場:オンラインまたは、KICC(公益財団法人神戸国際コミュニティセンター)
参加費:無料
定員(実来場のみ):15名(予約優先)

ゲスト:
細馬宏通(早稲田大学文学学術院教授)
筒井潤(戯曲家・演出家/「ながたのこもりうた」プロジェクトメンバー)

 

 

 

3.うたの系譜、長田で文化をつなぐこと
今回の“子守唄”のインタビューでは、オールドカマーからニューカマーまでの居住歴の異なる人々に出会いました。人々の移住に伴って、移動してきた文化が、どのように長田に根付き、変容していったのでしょうか。また、暮らしの中で「うた」や芸能がどのような役割をもっているのでしょうか。 「実践」と「研究」の視点から「トーク」と「実演」を展開します。

日程:1月29日(土)15:30-17:30
会場:KICC(公益財団法人神戸国際コミュニティセンター)
参加費:無料
定員(実来場のみ):15名(予約優先)

ゲスト:
米野みちよ(静岡県立大学国際関係学部 教授)
米川宗夫(奄美諸島・徳之島 シマ唄歌い手)
パクウォン(韓国伝統芸能 打楽器奏者)

 

 

 

DANCE BOX プログラムディレクター 横堀ふみコメント
ダンス表現を中心にプログラムを展開している劇場で、「子守唄や水上人形劇って、なんでだろう?」と思われると思います。劇場という場には「上演芸術のプロフェッショナルによる“公演”を行うこと」が従来の役割の一つがありますが、劇場が位置する地域の文化芸術に関わり、新たな角度で捉え直すことも大事なことだと考えています。様々なルーツにつながる人々が集住するこの地域では、どのようなプログラムを展開していけるとよいのでしょうか。母語が異なることで、言葉による分断を起こしやすい、生活文化や価値観の違いで、不理解を起こしやすい状況が横たわります。それらの分断や不理解は、お互いの文化を知り、隣の異文化が身近なことへと姿を変えたときに、前進するのではないかと思います。それには、文化芸術を介して出会う場をつくること、出会って対話をはじめること、先ずはこの地点から進めます。文化芸術そのものには、本来的に、コミュニティーや人々、死者と生者をつなげていく役割がありました。その本質的な役割を「神戸・長田のちいさな子守唄」「チャオチャオ!ベトナム水上人形劇!」の二つのプログラムを通して開き、新たなつながりを生みだしていきたいと考えています。

 

クレジット
プロジェクト・メンバー:筒井潤、三浦万奈、横堀ふみ
主催:NPO法人DANCE BOX、独立行政法人国際交流基金 アジアセンター

読み聞かせ&ワークショップ/トーク
共催:新長田図書館(わたしのまちのものがたり~海をこえたうたとダンスとおはなし会~)
協力:公益財団法人神戸国際コミュニティセンター、国際交流基金ベトナム日本文化交流センター(ベトナムと長田をつなげる歌謡文化と子守唄)

絵本
装丁:納谷衣美
イラスト:中井敦子
翻訳:NPO法人多言語センターFACIL、米川宗夫
通訳:NPO法人多言語センターFACIL、Masayang Tahanan
録音:西川文章
協力:一般社団法人神戸コリア教育文化センター、NPO法人コリアン生活センター イオ神戸、公益財団法人PHD協会、ばしゃ山会、日比野純一、ベトナム仏教寺院 和楽寺、Masayang Tahanan 他
発行:NPO法人DANCE BOX、独立行政法人国際交流基金 アジアセンター

この記事に登場する人

筒井潤

演出家、劇作家。公演芸術集団dracom(ドラカン)リーダー。2007年、京都芸術センター舞台芸術賞受賞。2014〜16年セゾン文化財団シニアフェロー。
dracomとして、サウンド・ライブ・トーキョー2014、NIPPON PERFORMANCE NIGHT(2017、19年、デュッセルドルフ)、東京芸術祭2019ワールドコンペティションなどに参加。
また個人の活動として『新長田のダンス事情』『滲むライフ』等のDANCE BOX主催事業に多く関わるほか、アートツーリズム・プロジェクト『Silent Seeing Toyooka』(城崎国際アートセンター)の演出やルリー・シャバラ『ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声』(KYOTO EXPERIMENT 2021)の空間演出を担当。他にも山下残振付作品、マレビトの会、KIKIKIKIKIKI、維新派、akakilike、ホー・ツーニェン、荒木優光などの公演や作品に参加。様式やジャンルを問わず活動を行っている。

2024年6月17日 時点

横堀ふみ

神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を新長田での滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。日越の文化芸術交流を目指したユニット「VIAN」メンバー。京都市立芸術大学非常勤講師。
photo by Junpei Iwamoto

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