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【RRAレポート】石川朝日

劇場〈ArtTheater dB KOBE〉および新長田各所を拠点に、自身の表現探求や身体の鍛錬のためのリサーチやダンストレーニングなどを行う『dBリサーチ・レジデンス・アーティスト』。
2026年度は4月〜7月の約4か月間に14組のアーティストが滞在します。

今回は、5月22日~5月30日にかけて滞在した石川朝日さんの滞在記録を公開します。

 

2026年度 dBリサーチ・レジデンス・アーティスト(RRA2026)については ▶︎こちら から

石川朝日
【滞在期間:5月22日(金) – 5月30日(土)】

5月22日(金) 新長田 チェックイン

5月23日(土) 顔合わせ

5月25日(月) 中間報告会

5月28日(水) 座談会

5月29日(金) 新長田 チェックアウト
 

屋上のBBQ

 


 

Q1 レジデンスの目的を教えてください。

『家出をして読書をする』 参加者がそれぞれ家出をして、新長田に集まる。一週間の間、自分のペースで読書をする。そして元の家に戻るというレジデンス。

複数の人間が作品を作るために集まる、あるいは複数の人間で何か一つの目的を作りリサーチをする、のではなく、人と集まりそれぞれがそれぞれの興味でそれぞれ何かをすることは可能なのかという集まりの実験。

 

Q2 どのようなリサーチや実験を行いましたか?

参加者が最終的には10名を超えたので一人一人について記述するのが難しいですが、本を淡々と読み進めていく人、この町のどこで本を読むことができるのかを考え実践する人、読書を拡張して、この土地を読むこととし、いろんな人に会ったり、資料館に行く人など、それぞれの活動がかなり多岐にわたっていました。

例) 私設図書館に行った。 空地文庫にたまたま行ったら誕生日会がやっていた。 新長田はベンチが見つけやすかった。アスタくにづかの上のベンチで本を読みながら横になっていたら、近くのサラリーマンにも影響を及ぼした。 本を読んでしまうと寝るので、寝てしまったところに「正」の字をつけていく。 街を盗み見るように関わる。 本と人の優先順位が変わった。人との会話の途中でも本を開き読み始める。 声に出して本を読みたくなった。 本を全く読めなかった、けれどその本のことを考えていた。 本ばっか読んでいる場合じゃないなと思った。 自分に向けられた注意書きを本のように読んでしまった。 等

基本的に自分が行ったのは今思うと、この実験がどのように進んでいくかということを見守る主宰の立場に結果的になりました。顔合わせをして、みんなで集まって、この集まりの目的この一週間の前提を共有するあるいは確認する。そして中間報告では、今どのようなことが起きているのかを聞く、読書が進んでいるのか、こんなところに行ったというシェア等。座談会では、この体験自体がどうだったのかということを聞くこと。その定点観測のような人が必要で、私はその役割に結果なっていきました。これは予期していたものではなかったけれど、このレジデンス自体がうまく進んでいくには必要な立場だったと思います。
 

空地文庫にて

 

Q3 今回のリサーチで収穫はありましたか?

先ほども書きましたが一つには、自分が主宰という立場でこの企画を運営したことが大きな収穫です。これがどういう体験で、何をもたらしたのかを参加者に聞いても、主宰の私はジャッジする立場にないというのがとても面白かったです。参加者が最終的に何を感じたのか、わたしには明かされないということ。 一つの作品を作るときに、誰かの何かによって、あるいは取り巻いている条件によって、自分の行いがふさわしくないとジャッジされる時がある。作品に向かうときにそういうことはある程度必要なのだろうけど、このレジデンスでそういうことが起こらなくてよかったと思います。そして私はそういう場が、何かを作りたいという人たちにとって必要だと再確認でき、それは外から判断することはできないのだけれど、きっと参加者にとって悪くはないものだったのだろうと想像できました。今回この企画を実現できてとてもよかったと思っています。

『家出をして読書をする』というタイトルある通り、実はこれは二つのことをしているのだということに気が付いた。『家出をすること』と『読書をすること』、人によってはこの二つは全然結びつかなかったりして、『家出』ということが初めてという人もいて、そのことがかなり重大なイベントになる、その時に読書というのは、まだやって来ていないものとして遠くに置かれている。他方で読書に没頭している人も見受けられた。 水を得た魚のように読書にぐっとのめりこむ人。繰り返しにはなりますが、その参加する態度そのものが結構バラバラでそこに対して強制力を働かせずとも集まることができたいい機会でした。
 

萬歳湯

 

Q4 今後の展望を教えてください

この企画は引き続きやる必要がありそうだと思いました。 どうにかしてこの企画を定期的にやりたいと思っていますが、どうやって続けていこうか悩んでいます。


 


苅藻川の上で自己紹介

 

今回のリサーチに関わった人や場所

石川朝日
加藤陽康
神谷勇希
くん
徳永伸光
小松菜々子
ならさきゆきの
野々上拓哉
福島頌子
福永将也
蛭田絵里香

この記事に登場する人

©︎金子愛帆

石川朝日

俳優。1995年生まれ、穴の世代。Dr.Holiday Laboratory。新しい歩行の開発途中。野田秀樹に会いたくて多摩美に入学、中退、渡仏。ジャックルコック国際演劇学校に入学、したは良いが言葉わからず、毎日の授業、極貧生活、3畳もない元・女中部屋。素パスタ。鶏肉に湧いた蛆。パリの風。ああ、2年生きた!かなり苦しかった。なぁんにもわからなかった。楽しかった。脳内から言語が消え、空白の脳みそにビカミング、帰国を決意。浦島太郎。コロナ禍。不思議な活動の仕方のゆえ、領域横断型器用富豪パフォーマーと呼ぶ声も?怒涛の展開で拡張された2025年が旧ノグチルームに溶け、俳優のシーズン1が終了。冬眠湯治のおかげで失っていた食も回復。東京を徘徊しながら、シーズン2へと向かういま。あるいは時速4kmのペースを確認しながら歩く。2021年に三軒茶屋を出発した歩くプロジェクトは5年かけて、金沢までたどり着いた。ここからさらに北へ向かう。

2026年3月31日 時点

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