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RRAレポート 吉岡あおい

劇場<ArtTheater dB KOBE>を拠点に自身の表現探求や身体の鍛錬のための実験的なリサーチやダンストレーニングなどを行う、国内ダンス留学@神戸10期『dBリサーチ・レジデンスアーティスト(dB RRA)』。 6月10日〜6月19日に滞在の吉岡あおいさんによる活動記録を公開します。

吉岡あおい 【滞在期間:6/10〜6/19】

 

6/10 新長田到着/DANCE BOX(dB)スタッフとの打ち合わせ
6/11 街中散策・dBでクリエーション
6/12 レジデンス協力ダンサー合流。街を歩く・dBでリサーチワーク
6/13 dBでリサーチワーク&クリエーション
6/14 第1回WS開催・漁港を訪れる
6/15 WAGOMU Climbing Gym訪問
6/16 神戸バスツアー参加 はっぴーの家ろっけん訪問
6/17 三宮で撮影参加
6/18 dBでクリエーション
6/19 第2回WS+試演会

 

 


WS1より

街中散策より

 

Q1 レジデンスの目的を教えてください。

自身のソロ作品創作のためです。理由は主に二つあり、「人々の日常の中に芸術がどのように存在しているのか、また、どんな在り方ができるのかリサーチするため」と「いつもと違う環境で創作してみたかったため」です。自分自身の興味関心、最近の思考から派生したテーマの作品創作だったため、普段と同様にスタジオに篭って振り付けを考える創作では面白くないし意味がないと思った時にこのレジデンスのプロジェクトを知り、衝動的に応募しました。

試演会より

 

Q2 どのようなリサーチや実験を行いましたか?

まず、街について知るところから始めました。自然と街の距離、復興を辿ることで知る街の歴史、 アートに対する認識など、実際に街を歩き、人とコミュニケーションをとることで見えた街の姿は、 東京よりもダンスやアートが街と密接に関わっていると感じました。クリエーションの過程では、参加アーティストと共に「他者に自分の振りを踊ってもらう」「同じ振り といくつかのイメージを渡し、それぞれのイメージで踊ってもらう」「空間と自分の記憶に集中し、 見たり感じた色を感覚的にスケッチし、空間に配置していく」「人が描いた絵からその背景を想像 し、即興で踊る」というような、いくつかのワークを行いました。今回集まってくれたダンサー・アー ティストは、私と全く異なる舞踊歴や背景を持っている方ばかりで、身体性、リズム感覚、解釈の仕方や体現方法が特に異なり、いかにそれぞれの日常や歩んできた道がその人自身を構成しているのか、日常性の違いがとても見えました。 日常との距離をリサーチするために行った2度のワークショップでは、記憶と色・感覚的な変化を 探るためのポストカード制作、ウォーミングアップとしてフォローザリーダーと、他者と繋がって身体の中に色を通し、伝えていくワーク、メインワークとして日常動作をダンスに変換していくことで身体感覚的な違いや、日常とダンスのボーダーレスな関係性に迫ってみました。

リサーチワークより

 

Q3 新長田の好きな場所を教えてください

WAGOMU Climbing Gym、お茶の味萬

WAGOMU climbing gymにて

 

Q4 印象的な瞬間を教えてください

初めて新長田の地に降り立ったその日に現地の方と急にホタルを見に行ったことです。たまたま dBの方が電話で連絡してくださっていた時に、これからホタルを見に行くというお話を伺い、究極 のフットワークの軽さで森にホタルを見に行くことになりました。街から車で15分ほどの近さ、しかも老若男女総勢50名が集まり本当にホタルが見れるとは思いませんでした。初めて見た野生の蛍は言葉に解す必要なく感動し、私たちが持っていたライトの光とセッションしているかのようでした。街と自然の近さ、道中での人々のつながりや生き生きとした姿、はじめましてなのに気さくに違和感なく話してくださる方々を見て、街の魅力に触れ、滞在初日からとても驚かされました。

 

Q5 なにか収穫はありましたか?

街が復興していく背景にアートがあることを知れたこと、また現在、復興のためのアートではなく、 毎日楽しく生き生きできるアートの活動を広げていこうとしている方々が率先して行動を起こしていたことに感銘を受けました。地域とアートの関わりが密接であるからこそ、皆でアートを通して 地域を盛り上げたいという団結力、芸術という括りに縛り付けず、日常を楽しむことがアートだと いう考え方がとても魅力的で、自分の芸術やダンスに対する考え方が大きく変わりました。また、 期間中多くの方と出会いましたが、多くの方は期間中何度も再開し、お会いできなかった方も今後につながる関係性を築いてくださり、一度だけで終わらない今後の繋がりがとても素敵だなと 感じました。

WS2より

 

Q6 今後の展望を教えてください。

2024年9月より1年ほどベルリンに留学しますが、国内ダンス留学10期として何かしらの形で携わっていけたらいいなと思っています。また、今回レジデンス期間中にリサーチしていたことをドイツでも行ってみたり、クリエーションした作品をより深めていき、ドイツのコンペティションなどに出せたらいいなと思っています。

 


 

協力者

・momoKA/大貫桃加(ダンサー)
学童保育でレッスン、テレビCMやMVの出演、また踊りを軸にジャンルにとらわれない表現者の道を探る。

・天野朝陽(ダンサー)
ストリートダンスを背景にした身体表現者。 肉体と精神に向かう態度を重視し、自身の背景を活かした踊りで活動している。

・福永将也(ダンサー)
1999年生まれ。筑波大学情報メディア創成学類卒業。 東京を拠点にダンサー、振付家、照明家として活動中。

・宮岡璃子(ダンサー)
2004年生まれ。総合芸術高校舞台表現科、コンテンポラリーダンスコース卒業。モダン、コンテン ポラリーダンスを中心に、スタイルフリーで活動中。

・寺尾茉理加(ダンサー)
大阪府出身。幼少期からクラシックバレエを学び、高校時代にベルリンでコンテンポラリーダンスと出会う。オーストラリアでプロとしての経験を積んだ後、帰国後東京に拠点を移し活動。

・河合里奈(アーティスト)
1995年愛知県生まれ。 現代美術家として絵画作品をはじめとするパフォーマンスや舞台美術を模索し作品発表をしている。近年、拠点している名古屋と京都での展覧会が開催される。

この記事に登場する人

André van Rensburg

吉岡あおい

幼少よりモダンバレエを窪内絹子に師事。
2023年都立総合芸術高等学校 舞台表現科、コンテンポラリーコース卒業。 埼玉全国舞踊コンクール第2位の2、AJUBコンクール コンテンポラリー部門第1位、 他全国コンクール上位入賞多数。 ゼロから生まれる、ダンスの突発的なクリエイティビティ、心と身体、動きと表現の関係性に 興味を抱く。創作、多様なWSやプログラムへの参加を通して身体表現の可能性や外界との関係性を追求。

2024年5月8日 時点

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