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RRAレポート idea platform

劇場<ArtTheater dB KOBE>を拠点に自身の表現探求や身体の鍛錬のための実験的なリサーチやダンストレーニングなどを行う、国内ダンス留学@神戸10期『dBリサーチ・レジデンスアーティスト(dB RRA)』。 6月24日〜7月31日に滞在のidea platform (小松菜々子、藤田彩佳、増川建太、黒田健太)による活動記録を公開します。

idea platform 【滞在期間:6/24〜7/31】

 

6/24 小松、増川、藤田レジデンススタート/新長田探索、空地文庫でミーティング
6/25 読書会【からだに貞く 野口三千三】
6/25.26 リサーチ(プレidea platform)
7/2 黒田合流/読書会【からだに貞く 野口三千三】/武井琴さんの試演会へ
7/3.4 クリエーション①
7/5 経過発表
7/8-10 クリエーション②/読書会【夢判断 100分で名著】
7/11 経過発表
7/13 Saturday digestion参加(藤田)
7/15-17 クリエーション③/読書会【詩とことば 荒川洋治】/Saturday digestion参加(黒田.増川)
7/18 経過発表
7/22-24 クリエーション④コンポジション/読書会【ヒア・アンド•ナウ往復書簡/理由のない場所】
7/27 経過発表
7/29.30 成果発表の準備(12アイディアのアーカイブの整理など)
7/31 成果発表

 


ポスター撮影
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第1週目の小発表の様子(黒田)

 

Q1 レジデンスの目的を教えてください。

idea platformという、アーティストがアイディアを自由にシェアし、アイディアを使うことが出来るプラットフォームを構想した。 idea platformにシェアするためのアイディアを作るために、振付家とダンサーという役割を繰り返し行い、12個のアイディアを作ることを目的としてレジデンスを行った。また、その過程でクリエーションをする経験を積んでいくこと、自分のアイディアを手放すこと、他人のアイディアを無責任に使うことも、重要な目的であった。(増川)

アイディアを回す順番の図(黒田) 作・増川建太

 

Q2 どのようなリサーチや実験を行いましたか?

毎週、各自が振り付け、ダンサーの役割を両方担いながら創作を行いました。
具体的には4本のアイデアの軸がありそれを他者に渡す過程で、アイデアが変化していく様を記録しました。
記録したものは以下の3つです。

・観客からのフィードバック
・ダンサーが残す創作の記録
・振付家が残す創作の記録

毎週、小発表の時間を設け5分ほどのパフォーマンスにして観客に見てもらった後、観客から各パフォーマンスの「タイトル」と「エッセンス」(パフォーマンスの核となるものは何か)をフィードバックしてもらいました。
最終日にはそれらの記録をもとに一時間ほどのレクチャーパフォーマンスを実施しました。(黒田)

成果発表の様子(藤田) photo by Yu Suzuki

 

Q3 新長田の好きな場所を教えてください

空地文庫。Idea platform 小松菜々子が営む本屋さんです。毎週火曜日の読書会はこちらで。みんなで夜カレー作って食べたりもしました。居心地満点です。
他には富士、おおはら、めいりん、餃子亭、マウントエベレスト。お世話になりました🍺
(藤田)


レジデンス施設の前にいた猫。仲良くはなれなかった。(増川)

 

Q4 印象的な瞬間を教えてください

レジデンス後半に差し掛かった時にダンサーとして感覚した奇妙な感覚がありました。
アイデアAについて取り組んでいた時に、アイデアCの要素を使って身体を動かしていたことに気がつきました。レジデンスを始めた当初は独立していたアイデアが、週を重ねるごとに4人の共通言語になっていったのです。
アイデアの出発点ではアイデア提唱者に著作の権利がありますが、それが発展していくことでアイデアA’になったときそれは誰のものになるのだろう。そのオリジナリティはどこにあるのだろう。その発想は過去300年のダンス史で誰もやっていなかったのだろうか。
ダンスの歴史を学びたいと思った。そういう瞬間がありました。(黒田)

 

Q5 なにか収穫はありましたか?

劇場を使って、人とクリエーションを行う経験を積めたことは、大きな収穫であった。自分は自分に振り付けることはあっても、他者に振り付けを行った経験が無かったため、考えているアイディアをもとにクリエーションを行うことが、いかに難しいことなのか知ることが出来た。また、自分のアイディアが他者に渡り、拡がりや可能性を見ることが出来たことも収穫であった。(増川)


成果発表の様子(藤田) photo by Yu Suzuki
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成果発表の様子(藤田) photo by Yu Suzuki

 

Q6 今後の展望を教えてください。

今回できたアイディアやシステムを新たなメンバーに参加してもらい再利用する中で制作過程を互いにシェアしたり、ダンスアーティスト以外のアーティストとリサーチを行うなど、この活動を通しながら様々な人たちの対話の場づくりをしていこうと思います。とりあえず、今回の振り返りとして、六週間のレジデンスの膨大な量の情報をどうまとめていくかが直近の課題です。(小松)

 


 

協力者

荒井優作(音楽家)

児玉北斗(振付家/ダンサー)

岡元ひかる(ダンス研究者)

平居香子(アートコーディネーター)

余越保子(演者・振付家・舞踊家・映像作家)

三浦あさこ(照明家)

田中哲也(舞台照明家)

津賀恵(行政職員)

上野天陽(建築家)

國米翼(音楽家)

坂口奈緒子(デザイナー)

Sabrina Huth(ダンス・アーティスト、振付家、ソマティック・エデュケーター、認定ミオレフレックス・プラクティショナー)

長尾明実(振付家、ダンサー、スローイスト)

武井琴(ダンサー、映像作家)

J’Sun Howard (Choreographer)

Cola(Yaqi Chen)(Art management student)

ダンスボックス のスタッフのみなさん

この記事に登場する人

idea platform

アーティストがアイディアを互いにシェアできるプラットフォームを運営しています。作品の”アイディア”が著作権法では保護されないことから、アーティスト同士が互いのアイディアを知ることができる図書館のような仕組みを模索しています。誰でも自由に借りられて、自分でもシェアできる共有地をアーティスト同士の繋がる場となるように。

月に一度のペースで読書会を開いています。

https://www.instagram.com/idea_pl.atform?igsh=MW0wamJtbHR1aTkwZQ%3D%3D&utm_source=qr

2024年5月8日 時点

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