稽古場レポート①
NEWCOMER/SHOWCASE#1 垣尾優×国内ダンス留学@神戸7期「たん、たん、魂」
10月より、国内ダンス留学@神戸7期のNewcomer/Showcase#1 垣尾優振付作品『たん、たん、魂』のクリエーションが始まりました。その現場をレポートします!
【0日目】2021年9月23日(木)
7期生からの希望で、クリエーションの前に一度、振付家の垣尾優さんとお話がしたいとのことで開いた垣尾氏を囲む会。
「一番小さい頃の記憶」「ダンスを始めたきっかけ」この2つのテーマについてその場にいる全員が5分かけて話す。不思議と一番小さい頃の記憶を聞くだけで、その人の人となりや個性がその記憶に凝縮されているようだ。約2ヶ月間共に過ごしてきたメンバーだが、それぞれの新しい一面がまた知れてみんな嬉しそう。
【1日目】2021年10月4日(月)
クリエーション初日。「作品を踊るのはダンサー、そのダンサーを輝かせるのは振付家の仕事。がんばります!」と垣尾氏の挨拶の後、早速全体への振付が始まった。少し奇妙な動きが一人一人のダンサーへ渡される。きっと肝となるシーンなんだろう。
少し休憩して、ソロ→デュオ→全員でインプロ。共鳴のエクササイズかのように互いを聞き合っている。ゆらゆらと浮遊するような集団は、即興だが既に群舞に見えてくる。
【3日目】2021年10月6日(水)
今日は気圧がやや低め。気圧や湿気など表現も環境に影響されることがあるよね。と言う垣尾氏の提案で今日はゆっくりお喋りをする日に。気候と体調の話からなぜか魂の話へ。一人のダンサーのお父さんが意識不明になった時に、あの世の樹木希林に「あなたは、まだこっちに来てはダメ」と言われて生還したと言う不思議な話も。その後も盛り上がって宇宙や記憶、そして最後は即興ダンスの話へ展開。「遠いもの同士が一つになる瞬間は美しい」など。本日4時間半のリハーサルのうち身体を動かしたのは20分程度。あとはずっとお喋りでした。
【5日目】2021年10月8日(金)
初日のシーンにどんどん肉付けされていく。昨日からそれぞれのソロの振付も始まった。振付は、まず垣尾氏自身が踊ってみせる。いつもそこから始まる。垣尾氏が踊って、それに続いてダンサーも踊る。「うーん、ちょっと違うけど、それもいいか。でももう少しこうできる?」と言う感じで進んでいく。ダンサーからの質問や提案も多い。とにかく、やりとりが軽くふわふわと進んでいくようだ。垣尾氏もみんなもどこを目指しているのだろうか。そもそもそんなものはないのかもしれない。
PR映像(KAKIO PROJECTより)
この記事に登場する人
垣尾優
モダンダンスや大野一雄の舞踏などに強く影響を受けながら、音楽や哲学、映画やストリートカルチャーなどの現代の様々な分野の表現にも影響を受け、独自に解釈し身体化した動きに定評がある。
山下残振付作品『透明人間』、岡登志子主宰Ensemble Sonne作品、松本雄吉+ジュン·グエン=ハツシバ + 垣尾優共同制作『sea water』、砂連尾理振付作品『猿とモルターレ』、JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクト 日本/フィンランド共同制作 エルビィ・シレン 及び 日本/米国共同制作ノーラ・チッポムラ日本滞在制作公演、等に出演。
2006年から2009年までcontact Gonzoとして活動。
FIDCDMX (メキシコ) ソロダンスコンペティションに選出 (2018) 。Dance Boxにて垣尾優ソロダンス『愛のゆくえ』 (2019) 、京都国際舞台芸術祭 2021 SPRINGにて『それから』を発表。京都精華大学非常勤講師 (2022 後期 表現研究II) 。
2023年4月16日 時点