DANCE BOX Artist in Residence Program 2026
期間
- 2026年度
会場
ArtTheater dB KOBE(日本・神戸)、他

Azzah Salwaa
滞在期間: 2026年11月2日~11月29日
【レジデンス内容について】
本レジデンスでは、私が継続して取り組んでいる「Genjer-genjer(ゲンジェル・ゲンジェル)」に関するリサーチをさらに深めていきます。この歌は、インドネシアが日本占領下にあった時期に結びついた民謡であり、深刻な食糧不足の状況から生まれました。当時、人々の生存に密接に関わったのは、野生の水草である genjer でした。日々の採集、運搬、調理、販売といった行為を通して、この歌は一つの植物を「生の記録」へと変えていったのです。その後、この歌は社会的にタブー化され、それにまつわる多くの実践は断片的となり、あるいは消失していきました。私自身の家族の記憶の中にも、祖母がかつて Genjer-genjer に合わせて踊ったという話が残っていますが、その踊りそのものはもはや完全には思い出すことができません。残されているのは、物語、身ぶり、音、身体の動きといった断片だけです。レジデンス期間中は、こうした断片を、アーカイブ調査、対話、そして身体の実験を通して辿っていく予定です。アーカイブが不完全なとき、踊りには何が残るのでしょうか。ある動きが不完全に記憶され、別の身体へと受け渡される過程で変化していくとき、何が起きるのでしょうか。映像、音、パフォーマンス、インスタレーションを用いながら、私は「動き」を一つの“生きたアーカイブ”として捉え、日常的な身ぶりが、従来のアーカイブでは保存しきれない歴史をいかに宿しうるのかを探求していきます。
Azzah Salwaa
インドネシア出身/ミラノ(イタリア)拠点。 映像、パフォーマンス、テキスタイル、インスタレーションなど多様な媒体を横断しながら、記憶、アーカイブ、そして暮らしを通じたストーリーテリング(物語を編みなおす)実践を核としています。個人的な物語や文化的・家庭的な営みから着想を得て、彼女はそれぞれの媒体を「ケア」「反復」「注意深さ」の場として扱います。
彼女の作品は、ケアの身ぶり、見えない労働や維持のための労働、そして働く女性の日常的な現実を探究します。親密で見過ごされがちな行為を通して、奉仕、忍耐、愛情、労働によって形づくられる多面的な状態としての「女性性」を考察しています。
これまで、Bacio Collective(ベルン/2026)、Garten Studios(ベルリン/2025)、Fabbrica del Vapore(ミラノ/2025)、Selasar Sunaryo(バンドン/2025)、Backhaus Project(ベルリン/2023)、Semesta Gallery(ジャカルタ/2022)などで作品を発表。最近では Sharjah Art Foundation のアーティスト・イン・レジデンスに選出されています。

イム チエ×趙恵美『바다를 사이에 두고 응시하는 섬들처럼|海をハザマにじっとみつめる島たちのように』
滞在日程(予定): 2027年3月8日~22日
2020年の出会いから二度の滞在制作を経て、2026年4月4日~6日に西ソウル市立美術館のこけら落としプログラムとして展示&パフォーマンスが上演されました(レポートはこちら)。その凱旋プログラムとして行います。在日コリアンの芸能(おもに舞踊)が継承される現場に立ち会い、朝鮮半島由来の文化が、海を越えてどのように変容し、各地で息づいているのかをリサーチしたプログラム。ベルリン・ソウル・新長田をつなぎながら、2020年からの旅路の向かう先へ。
イム チエ
ベルリンとソウルを拠点に活動する振付家/ダンサー。ソウルで韓国の伝統舞踊を学び、ベルリン芸術大学にてソロ/ダンス/オーサーシップの修士号を取得。長年にわたり、コンテンポラリーダンスと伝統舞踊という2つの言語の間で、独特の振付を実践してきた。彼女の芸術的な関心は、身体を動くアーカイブとして捉えることです。つまり、伝統と現代性、個人の思い出と文化的な記憶、移動性とホームとの関係における文化的な経験と記憶の担い手としての身体を観察することにあります。彼女の作品の原動力は、彼女自身の移民経験にあり、彼女はそれをダンスで身体的に反映させています。彼女は2024年のピナ・バウシュ・フェローシップを受賞し、ドイツのtanz Magazineで2014年にHoffnungsträgerin(有望なアーティスト)に、韓国のGaeksuk Magazineで2015年にYoung Leading Artistに選ばれた。
趙恵美
コリアンダンサー/コリアンパーカッショニスト 9歳から舞踊を始め、日本、韓国で様々な舞台に出演。 現在はコリアンダンサーとして、朝鮮と韓国舞踊に軸を置き創作活動を行う。 韓国伝統打楽器奏者としても音楽講師を務める。 舞の旅プロジェクトでは、国籍を外した本当の自分を追求し、舞を通してあるがままの自分を正直に表現する。

ジュン・グエン=ハツシバ、グエン・クイン・チャン
滞在期間: 2026年8月12日~9月8日(ジュン・グエン=ハツシバ) 2026年8月27日~9月8日(グエン・クイン・チャン)
ジュン・グエン=ハツシバは、「神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond」において、六甲山・天覧台を舞台に、新作を発表します。その為に、2026年3月、5月にも来日し、リサーチを継続してきました。六甲山とベトナム北部にあるBa Vi山とをつなげたインスタレーションを展開します。
グエン・クイン・チャンは、ジュン・グエン=ハツシバのアシスタントとして滞在し『六甲ジン①』の紹介を行います。滞在期間中、ジュン・グエン=ハツシバの作品をめぐって共同作業と記録を続け、彼女が制作するイラスト入りドキュメンタリー・ジン『六甲ジン②』のための追加資料を収集する予定です。
『六甲ジン』 とは:グエン・クイン・チャンとジュン・グエン=ハツシバによる共同プロジェクト。チャンのイラストとジュンが調査旅行中に撮影した写真を組み合わせたものです。このジンは、 ベトナム北部のハザン省とバヴィ省という2つの山岳地帯から日本の六甲山に至るまでのジュンの芸術的調査を記録したもので、 六甲山とアートの出会いのために制作された『二つの山の物語』の制作過程を見ることができます。単なる創作過程の記録にとどまらず、ベトナムと日本の山岳コミュニティ間の文化交流のプラットフォームとしての役割も果たしています。

ジュン・グエン=ハツシバ
1968年東京にて日本人の母とベトナム人の父の間に生まれ、幼少時代を日本で過ごした後、アメリカで教育を受ける。現在、ホーチミン(ベトナム)在住。
2001年より難民や社会的少数派をテーマに取り上げた「メモリアルプロジェクト」シリーズを発表、国際的に注目を浴びる。ベニス、横浜、イスタンブール、シドニーなどで開催されるビエンナーレ・トリエンナーレの国際展に参加。グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館、ポンピドゥーセンター、森美術館などに作品が所蔵されている。


グエン・クイン・チャン (Nguyen Quynh Trang)イラストレーター兼アーティスト。水彩画を専門とし、鮮やかで表現力豊かなビジュアルで創造的なコンセプトを生き生きと表現する。2022年6月、グラフィックデザインの専門知識を高めるためにDPIセンターで15か月間のプログラムに参加。2023年10月、「表現力豊かな水彩画のイラスト」と「現代のグラフィックデザインの手法」の垣根を越え融合させたプロジェクトである「The Lost Book of Joy」でThink Different Awardを受賞し、高く評価された。ジュン・グエン=ハツシバの人生と芸術の旅を軸とした、本のプロジェクトに取り組んでいる。
この記事に登場する人
イム チエ
イム チエはベルリンとソウルを拠点に活動する振付家/ダンサー。ソウルで韓国の伝統舞踊を学び、ベルリン芸術大学にてソロ/ダンス/オーサーシップの修士号を取得。長年にわたり、コンテンポラリーダンスと伝統舞踊という2つの言語の間で、独特の振付を実践してきた。
彼女の芸術的な関心は、身体を動くアーカイブとして捉えることです。つまり、伝統と現代性、個人の思い出と文化的な記憶、移動性とホームとの関係における文化的な経験と記憶の担い手としての身体を観察することにあります。彼女の作品の原動力は、彼女自身の移民経験にあり、彼女はそれをダンスで身体的に反映させています。
彼女は2024年のピナ・バウシュ・フェローシップを受賞し、ドイツのtanz Magazineで2014年にHoffnungsträgerin(有望なアーティスト)に、韓国のGaeksuk Magazineで2015年にYoung Leading Artistに選ばれた。
写真:Olivia Kowk
2024年10月8日 時点
趙恵美
コリアンダンサー/コリアンパーカッショニスト 9歳から舞踊を始め、日本、韓国で様々な舞台に出演。 現在はコリアンダンサーとして、朝鮮と韓国舞踊に軸を置き創作活動を行う。 韓国伝統打楽器奏者としても音楽講師を務める。 舞の旅プロジェクトでは、国籍を外した本当の自分を追求し、舞を通してあるがままの自分を正直に表現する。
2024年5月27日 時点
ジュン・グエン=ハツシバ
1968年東京にて日本人の母とベトナム人の父の間に生まれ、幼少時代を日本で過ごした後、アメリカで教育を受ける。現在、ホーチミン(ベトナム)在住。
2001年より難民や社会的少数派をテーマに取り上げた「メモリアルプロジェクト」シリーズを発表、国際的に注目を浴びる。ベニス、横浜、イスタンブール、シドニーなどで開催されるビエンナーレ・トリエンナーレの国際展に参加。
グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館、ポンピドゥーセンター、森美術館などに作品が所蔵されている。
2024年10月22日 時点
グエン・クイン・チャン
イラストレーター兼アーティスト。水彩画を専門とし、鮮やかで表現力豊かなビジュアルで創造的なコンセプトを生き生きと表現する。
2022年6月、グラフィックデザインの専門知識を高めるためにDPIセンターで15か月間のプログラムに参加。
2023年10月、「表現力豊かな水彩画のイラスト」と「現代のグラフィックデザインの手法」の垣根を越え融合させたプロジェクトである「The Lost Book of Joy」でThink Different Awardを受賞し、高く評価された。
2024年には、アーティストのジュン・グエン=ハツシバとコラボレーションする機会を得て、デザイン的な思考をもってワークショップを協働で開催する。そして、グエン=ハツシバの人生と芸術の旅を軸とした、本のプロジェクトに取り組みます。
2024年10月22日 時点


