国内ダンス留学@神戸 9期

プロのダンサーや振付家を志望する方を対象に、2023年7月末から2024年3月までの8ヶ月間、神戸・新長田の劇場を拠点にして、座学・実技を通して徹底してダンスに取り組むプログラムです。
9期コレオグラファー:ハラサオリ、安永ひより
9期ダンサー:秦知恵里、森岡美結菜
期間
- 2023年7月24日(月)〜2024年3月21日(木)
会場
ArtTheater dB KOBE他
次代を担う若手アーティストが神戸/新長田を拠点として、8ヶ月間ダンスに打ち込むプログラム「国内ダンス留学@神戸」。
踊ること・つくることをベースとした生活を過ごすこと、ダンサー・振付家として社会の中で生きていくこと、さまざまなアーティストや多様なジャンルで活躍する人々と出会い、学びや協働を通して、より世界を広げ大きく飛躍するための8ヶ月。
今期は、これからプロフェッショナルなダンサーとして活動したい人だけでなく、既に振付家として活動している若手アーティストを対象にプログラムを一部刷新しました。アーティスト同志の対話・交換・リサーチなど、実験的な場を通して新しい表現が生まれることを期待します。
プロフィール
Newcomer/Showcase
振付家
#1 余越保子
#2 ピチェ・クランチェン
講師・招聘アーティスト
西村未奈(舞踏/ダンステクニック)
湯浅永麻(カウンター・テクニック)
松岡大(舞踏)
康本雅子(音楽とダンス)
平原慎太郎(コンポジション)
児玉北斗(西洋舞踊史)
竹田真理(ダンス批評)
岡元ひかる(舞踊史)
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク(Dance Makers CampⅠ)
鞍掛綾子(GAGAベースクラス)
渋谷陽菜(ヨガ)
高瀬瑶子(バレエ)
内田樹(合気道)
井上清恵/永山春菜(合気道)
ジェイスン・ハワード(ヴォーギング)
アラン・シナンジャ(アフリカンダンス)
ダンスボックス(制作講座/テクニカル講座)
他
この記事に登場する人
余越保子
舞踊家、振付・演出家、映像作家。広島県出身。
1987年から2014年までダンサー、振付家としてニューヨークとアムステルダムを拠点に活動。ソロパーフォーマンス作品『SHUFFLE』で2004年にアメリカの優れた舞台芸術作品に授与されるベッシー賞を受賞。2003年より日本舞踊の世家真流に入門。日本の古典芸能の身体を基礎としたコンテンポラリーと伝統を巡る国際共同ダンス3部作品を10年に渡りNYにて企画制制作し、ベッシー賞、グッゲンハイム・フェローシップ、ファウンデーション・フォー・コンテンポラリーアートアワードを授与。2015年にNYのダンススペースプロジェクトにて発表された『ZERO ONE』はニューヨークタイムズ 紙の批評家が選ぶ2015年度ベストテンダンスに掲げられた。上記の活動は、ニューヨークのダンスコミュニティにおいて、アジア人の身体性の新しい視点を西欧文化圏に投げかけるきっかけを作った。
2015年より京都に拠点を移す。日本舞踊の身体訓練を継続しつつ、観世流シテ方能楽師の田茂井廣道氏に師事。踊りや舞の古典の型、振付や技法をキネシオロジー(運動学)的視点から解析度を上げるペタゴジィ(教授法、訓練法)、アーカイブ(継承)をダンサーの身体で思考する活動を独自に展開している。舞台制作の他に、映像作家として、黒沢美香、首くくり栲象、川村浪子主演映画「Hangman Takuzo」(余越保子監督)を企画制作。 小山登美夫ギャラリー、シアター・イメージフォーラム(Dance NewAir主催)、神戸映画資料館、Nooderzone Performing Arts Festival(オランダ)などで上映。また、自身が書いたエッセイ集「一生に一度だけの」が森鴎外記念自分史文学賞大賞を受賞(学研出版)するなど創作活動は多岐に渡る。近年は、羽鳥ヨダ嘉郎著『リンチ(戯曲)』の第20回愛知県芸術劇場主催AFF戯曲賞受賞記念公演(2022)の演出・振付を手がけ、2024年度のKYOTO EXPERIMENT京都国際舞台芸術祭に招聘された。
2025年5月12日 時点
ピチェ・クランチェン
伝統の核心と智恵を保持しつつ、タイの古典舞踊の言語と現代的感覚をつなげる振付家/ダンサー。国内では古典舞踊「コーン」を現代化する試みで悪名を高めつつ、北米、他のアジア諸国、ヨーロッパでは国際的舞台芸術フェスティバルに参加している。タイ古典舞踊の強力な地盤を持つ若いダンサーを育て、純粋に芸術的なパフォーマンスを創り出すため、ピチェ・クランチェン・ダンスカンパニーを設立。ソロやカンパニー作品の上演のみならず、共同制作など多数実施している。
2023年5月24日 時点
西村未奈
ニューヨークを拠点に、禅思想の影響を受けながら導管としての身体を起点とした様々な形態の表現活動を行う。山崎広太に舞踏や即興ダンスを師事する一方、先鋭的な振付、演劇、美術作家との共同制作や作品参加ほか、アーティストSIAとの共演、Miu Miu短編映画「女性たちの物語#14」(監督: セシリア・ロールソン・ホール)、映画「アフター・ヤン」(監督: コゴナダ)出演など。’17米ダンスマガジン ベストパフォーマンス賞、’19現代芸術財団賞(FCA アワード)、’21~’23 Danspace Project(NY)レジデンスアーティスト。近年作品に、連作「エクソシストの反対語を探しながら、森の地図を描くこと」(Danspace Project / Jacob’s Pillow Dance Festival 2022-24)、「ゾンビになる練習」(BMCM + AC 2023)、「へーつー。」(天使館 2024)、「幽閉の劇場と8感のラップ」(WWFes 2025)など。米ベニントン大学所属、プリンストン大学、サラ・ローレンス大学、エマーソン大学ゲストアーティスト。遠隔靈氣プラクティショナー。
2025年5月11日 時点
湯浅永麻
NDTに11年間所属後フリーとなり、マッツ・エックの 『Juliet&Romeo』ジュリエット役、サシャ・ヴァルツ『Körper』等に客演。シディ・ラルビ・シェルカウイのダンス、 オペラ、演劇作品など多数出演。異ジャンルの様々な著名アーティスト達とコラボレーション作品を発表。第13 回、15回日本ダンスフォーラム賞受賞。近年はダミアン・ジャレx名和晃平『Planet[wanderer]』、『Mirage[transitory]』などに出演。様々な人との対話/交流を試みるnosmosis research を立ち上げるなど、国内外で多岐にわたって活動している。カウンターテクニックティーチャー。
2025年5月17日 時点
松岡大
2005年より山海塾に舞踏手として参加。「金柑少年」「卵熱」「かげみ」「ARC」などの主要作品に出演中。 2011年より、街を歩きながらミュージシャンとダンサーによるパフォーマンスを鑑賞する「LAND FES」を主宰。2018年より小田原市にて、障がいの有無を越えて共にダンスを創る「スクランブル・ダンスプロジェクト」で講師を務める。神奈川県共生共創事業映像作品「いま、生まれたばかり」演出ならびに出演。NYのシアターカンパニーPhantom Limb Company「Falling Out」、作曲家Paola Prestini「Houses of Zodiac」に出演するなど、海外アーティストとのコラボレーションも多数。Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13 「Tokyo Real Underground」キュレーター。
2023年5月24日 時点
康本雅子
はじまりはダンサー、いつの間にか振付家、やめられんのがダンサー。
その昔バックパッカー時代にアフリカンダンスに出会い、セネガルへ。ダンス漬けの半年を送るも帰国後一文なしになりバックダンサーに。食うためのダンスだけじゃ飽き足りず、作品を作るようになって今に至る。ライフワークは子供たちへのWS。最近は「マジな性教育マジか」も始動中。どっちもハウツーは教えない。
2023年4月6日 時点
平原慎太郎
ダンサー・振付作家としてスペイン、中国、韓国で自作を発表する他、国内では神奈川、北海道、新潟、広島、兵庫を始めとする国内外で活動する。また演劇の現場においてもステージングとして白井晃、永塚圭史、前川知大、小林顕作などの作品に参加。
一方で育成講座TerraCo.の講師として座学を中心にダンサー向けの振付家講座を開設している。
2023年4月6日 時点
児玉北斗
2001年より2019年までダンサーとして北米や欧州で活動。ヨーテボリオペラ・ダンスカンパニー、スウェーデン王立バレエなどに所属しマッツ・エックら国際的な振付家の作品にて主要なパートを務める。2018年にはストックホルム芸術大学修士課程(振付)を修了し、近年の振付作品は『Trace(s)』(2017)、『Pure Core』(2020)などがある。2022年より現在に至るまでは、民俗学における「をどり」概念を参考にして、不安に抗する祈りとして地面を押し続けるパフォーマンス『Wound and Ground』を豊橋や京都を始め各地で上演し、その都度新たなヴァージョンとして更新し続けている。現在は芸術文化観光専門職大学准教授としてダンス教育ならびに美学研究にも従事している。www.hokutokodama.com
2025年5月11日 時点
竹田真理
東京都出身、神戸市在住、関西を拠点に批評活動を行う。毎日新聞大阪本社版、国際演劇評論家協会日本センター発行「シアターアーツ」ほか一般紙、専門誌、ウエブ媒体等に執筆。ダンスを社会の動向に照らして考察することに力を注ぐ。
2025年5月11日 時点
岡元ひかる
言葉を用いた振付や動きの手法に関する研究を行っている。これまでピナ・バウシュの振付手法やGAGA、土方巽の暗黒舞踏における言語使用に注目してきた。2022年に博士号を取得(学術、神戸大学)。薄井憲二バレエ・コレクション アシスタント・キュレーター、追手門学院大学の非常勤講師、武庫川女子大学研究員を経て、現在、芸術文化観光専門職大学助教。横浜ダンスコレクションEX2014新人振付家部門奨励賞。
https://researchmap.jp/hikaruokamoto
2023年5月13日 時点
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク
二人組の舞台作家・小野彩加と中澤陽が舞台芸術作品の創作を行なうコレクティブとして2012年に設立。舞台芸術の既成概念と、独自に研究開発する新しいメカニズムを統合して用いることで、現代における舞台芸術の在り方を探究し、多様な価値創造を試み続けている。固有の環境と関係から生じるコミュニケーションを創造の根源として、クリエーションメンバーとの継続的な協働と、異なるアーティストとのコラボレーションのどちらにも積極的に取り組んでいる。2018年度から2020年度まで、調布市せんがわ劇場 ドラマ・エデュケーション・ラボDEL メンバー。2023年度、芸術文化観光専門職大学 ダンスワークショップ実習B 講師。同年度、吉祥寺シアター ダンス部2023 講師。同年度、DANCE BOX 国内ダンス留学@神戸9期 Dance Makers Camp I 招聘アーティスト。2023年度から2024年度にかけて、映画美学校 言語表現コース ことばの学校 第3期 演習科 創作クラス 専任講師。2025年度、MYOKO SKOOL vol.8 招聘アーティスト。2023年度より、Dance Base Yokohama レジデントアーティスト。
Webサイト:https://spacenotblank.com/
2025年4月7日 時点
鞍掛綾子
1998年~2009年NY在住 2001年NY州立PurchaseCollege 舞台芸術学科舞踊専攻大学院卒業 MFA修得(Master of Fine Arts)。 1999年〜2004年スペインの国際振付コンクール(https://www.cicbuny.com/)の立ち上げ、審査員を務め、2021年よりWS講師、審査員メンバーとして招聘、現在に至る。NYだけでなく世界の若手振付家の発掘を目的にReverb Dance FestivalをNYで2005年に立ち上げる。2006年Gaga Japan設立、日本でGagaを広めるWSなどの開催を始める。神戸女学院大学舞踊科非常勤講師、京都女子大学非常勤講師、武庫川女子大学ダンス部外部コーチ
2025年5月11日 時点
渋谷陽菜
新潟県出身。ダンサー、ヨガ講師として関西を中心に活動。2019年、余越保子 構成/演出/映像/監修「shuffleyamamba」各地公演に共同振付、出演。香川県拠点のダンスユニットEclogionを主宰し、2021年「Dilemma」を振付/出演。JCDN主催、コミュニティダンスファシリテーター養成スクール応用コース修了。Be+yoga Academy teachertraining修了。
2023年4月28日 時点
高瀬瑶子
幼少よりモダンバレエを始め、16歳より橘バレエ学校にてクラシックバレエを学ぶ。出産を経て進化/退化する身体との対話を重ね、”骨で動ける身体”をテーマにダンサーとして活動中。ジゼル・ヴィエンヌ、白井晃、森山開次、中村恩恵、近藤良平、青木尚哉等の作品に出演。近年では能や演劇、光など他ジャンルとの協働により生まれる表現も探究している。また、ダンサーならではのアプローチで子どもの教育に携わるべくワークショップなども行う。
2024年5月8日 時点
内田樹
1950年生まれ、神戸で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主宰。
主著に『レヴィナスと愛の現象学』、『日本辺境論』、『私家版・ユダヤ文化論』など。
近著に『レヴィナスの時間論』、『武道論』、『夜明け前(が一番暗い)』など。
2023年4月6日 時点
井上清恵
大阪に生まれる。2005年内田樹氏(思想家・武道家)の合気道道場、凱風館に入門、以来合気道の魅力に没入。更なる研鑽のため大阪にて自身の道場、清道館を主宰し、合気道探究と修行の日々。合気道五段
https://kiyoe3seidokan.wordpress.com/
2023年4月6日 時点
永山春菜
2004年に内田樹師範の指導される神戸女学院大学合気道部で合気道に出会う。幼少期より病によって激しい運動は禁止されていたが、この出会いによりどんどん心身の使い方が更新される。卒業後、自身の稽古場として合気道高砂道場を主宰。現在に至るまで高砂、芦屋、神戸住吉で子どもから大人までの指導を中心に活動し、命の力の高め方、使い方を日々研究している。合気道五段。
2023年4月9日 時点
J’Sun Howard
シカゴを拠点とするダンスメーカー。黒人と黒人の身体を取り巻く社会問題を探求し、黒人と褐色人種の間に、寛大で愛情深く、思いやりのある空間を作り出している。現在、全米芸術基金の日米友好委員会クリエイティブ・フェロー。ミシガン大学でダンス修士号と世界パフォーマンス研究大学院修了証を取得。近年、Links Hall、Ruth Page Center for the Arts、Steppenwolf Theatre Company、Defibrillator Performance Gallery、CANDY BOX Dance Festival、Patrick’s Cabaret (ミネアポリス)、Danspace Project、Center for Performance Research(ニューヨーク)、Detroit Dance City Festival (デトロイト)、New Dance Festival(テジョン/韓国)、ArtTheater dB KOBE(神戸)にて上演されている。
【 photo credit: curtsey of the artist 】
2025年6月26日 時点
Alain Sinandja
神戸市新長田区在住。トーゴ出身。神戸ダンスボックス主催国内ダンス留学で学ぶため2017年、初めて日本に来日。卒業後も日本に残り神戸を拠点に、西アフリカの伝統舞踊とコンテンポラリーダンスを越境しながら独自の作品を制作している。2018年に自身で立ち上げたダンスフェスティバル「AFRICAN CONTEMPORARY NIGHT」はのちのHappy African Festival(HAF)へと発展し、多くの観客を動員した。2019年に、振付家・下村唯との共同制作を行い、同作品は、横浜ダンスコレクションにて振付賞を受賞。同年、山崎広太によるプロジェクト「Darkness Part 3」に参加、ニューヨーク公演に出演した。現在もダンスボックスの様々な企画に参加し、アフリカンダンスクラスを教えるなど、新長田のコミュニティに深く根ざした活動を継続している。
2023年4月10日 時点
横堀ふみ
神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を新長田での滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。日越の文化芸術交流を目指したユニット「VIAN」メンバー。京都市立芸術大学非常勤講師。ON-PAM(舞台芸術制作者オープンネットワーク)理事。
photo by Junpei Iwamoto