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【K-ACDF】目黒大路インタビュー | BLOG | NPO DANCE BOX

2017.10.22

【K-ACDF】目黒大路インタビュー

INTERVIEW

昨年7月「みんなのフェスティバル〜地獄・妖怪編〜」にて新長田に現れた「妖怪ショー!!」。1週間上演したダンスボックスの近くにある駒ケ林会館では、新長田の子どもたちをはじめ多世代の観客たちの笑い声や叫び声で賑わいました。今年は新たな妖怪を連れて「妖怪ショー!!」が新長田に帰ってきます。活動拠点である鳥取で、新作に向けて創作真っ最中の目黑大路さんにスカイプでお話を伺いました。

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ー新長田では「帰ってきたヨ!」ってことで二回目になります。これまで「妖怪ショー!!」はどんな地域に行かれましたか?

目黒:鳥取県内がやっぱり多いですね。あとは、岡山と新長田ですね。

ーこれまでで何公演されてますか?

目黒:90回くらいですかね。

  • ーもしかして、記念すべき100回目は新長田ってことですよね!今回16公演ありますし。

目黒:そういうことになりますね。

ーすごい!これは何かしなければ。「妖怪ショー!!」の初演はいつですか?

目黒:2015年の9月に鳥取の鹿野が初演です。

ー初演から2年と少し、約90回の公演を振り返って、失敗・アクシデントなども含めて一番印象に残った公演はいつですか?

目黒:これは鹿野の一回目ですね。台詞が飛んでしまって、しばらく黙ってしまったんですよ。あと、はじめの頃は歌を歌ってたんですが、自分で歌っていて恥ずかしくなってきました。

ーそれは、どんな歌ですか?

目黒:「節談説教」と言う浄土真宗の布教のための説教なんですが、物語と歌が入れ子になっているような感じで面白いんです。今は新潟の方でまだ少し残っているらしいんですが。白声っていう魚屋さんが声をつぶして発声する感じや歌のリズムがすごく良くて。「妖怪ショー!!」ではオリジナルのメロディーラインだけをとって歌詞を変えてやったんですよね。それがね、自分でやるととても寒くてですね〜(笑)。その寒い感じと台詞を忘れたと言うのがダブルでやって来たんですよね、初演に。それが一番印象に残っていますね。

ーその時の観客の反応はどうだったんですか?

目黒:お客さんの反応を見てる余裕なんて全然なかったですね。はじめのうちはお客さんと対面するのが怖かったです。ちょっと動かれたりすると、ドキーーッとなって平常心でいられない。

ーやはりダンスの舞台とは違いますか。

目黒:違いますね。踊りだとお客さんの方を見たりはするけどそんなには意識しないですし、照明で暗くなっていたりするのでお客さんの表情があまり見えない。でも、「妖怪ショー!!」ではお客さんがあからさまに欠伸をしたりのちょっとした動きでも動揺していました。それがだんだん平気になってきたのは、台詞が入って来てからでした。お客さんが動いたり、つまらないのかなって思っても、自動的に台詞が出てくるようになってきましたから。途中で動揺したり黙ったりと言う事はありません。

ーなぜ「妖怪ショー!!」をはじめたのですか?やっぱり鳥取だからですか?

目黒:そうですね、仰る通りです(笑)以前は「薔薇の精」という作品で、三朝温泉の元ストリップ小屋で毎週末に舞台に立っていたじゃないですか。本当はあれでお金を稼ごうと思ってたんですよ(笑)。もともと、昔の舞踏の方達がやってたような、キャバレーやエンターテイメント性のあるものをやってみたいということもありましたし、単純にお金稼ぎというのと、舞台に多く立つっていうことをやってみたかったんですよね。で、舞台には自分が望めば多く立つ事は出来ました。けれどもなかなかお客さんが来ないわけですよ。昔だと温泉街は社員旅行とかで賑わっていたんですが、今は時代も変わってそう言う賑わいもなくなっています。

ー新長田では3年前の「みんなのフェスティバル」にて丸五商店街で上演した時から「薔薇の精」の熱狂的なファンはいますけど、一度見てもらえるとファンは増えて行くんじゃないでしょうか。

目黒:そうなんですよね。三朝でも観ていただいた方には好評なんですが、入るまでの敷居が高いみたいです。やっぱり元ストリップ小屋ということもあり、なかなか足を踏み入れてくれない場所なんですよね。怪しげだと言う事でそこで一旦お客さんが躊躇しますよね。あとは、全体的に観光客が減っていると言う事情もあります。それでも、お休みの期間中は親子連れが多いんです。でも、親子連れをターゲットにやるとなると、「薔薇の精」はアウトですよね。そこで、「旅行先での楽しみベスト5」みたいのを調べると、その土地の芸能を観るというのがあったので、そう言う需要があるなら土地のものをやらないと行けないなと思いました。確かに、自分が海外に行った時は、その土地の芸能を観たいなと思いますし。鳥取でやるなら水木しげるさんもいらしたし、妖怪だなと思い題材に持ってきました。あと、自分が舞踏をやる時のテーマでもあるのですが、「無益性」みたいな、社会のマジョリティーから外されて行った身体に興味があったので、自分の舞踏のやっているテーマと妖怪が繋がるなと言うのが、妖怪を選んだ理由ですね。

ー今回、「Kobe-Asia Contemporary Dance Festival#4」ということで、アジアの妖怪が新たに登場するかも!と予告させていただいているのですが、新しい妖怪について教えていただけますか?

目黒:非常に大変なオーダーでしたね(笑)。でも、朝鮮半島の妖怪をひとつ加える予定です。現在、「妖怪ショー!!」のシリーズ第二弾を来年3月に向けてつくっているのですが、第二弾は、アジアの妖怪で行こうと思っているんです。その妖怪のひとつを今回お披露目します。

ーじゃ、その新しい妖怪は、今回の新長田で初お披露目ってことですか?

目黒:そうですね、楽しみですね。シリーズ第二弾は未だ先になるのですが。

ー「妖怪ショー!!」の特徴は、昔子どもの頃に行っていたお祭りのお化け屋敷のように、怖くて怪しいって言う空気が満載にある気がしています。

目黒:日本の芸能というのが、その怖くて怪しい部分を担っていたと思います。今はアーティストって呼ばれていますが、アーティストと言うよりも芸人ですよね。その芸人を私はやりたいって思っています。「芸人はお金を稼ぐために芸を磨く」という、シビアなところで生きて行くってのもいいなと。世間の空気とはちょっと違うところで生きている人たちっていいですよね。

ー「この人ら普段何してるんやろう?どうやって生活してるんやろう?」みたいなのありますよね。

目黒:そうそう。テキ屋の人もそんな感じありますよね。ああいう感じが好きですね〜。

ーそう言うのがきっと少なくなって来ているでしょうし、子どもたちも外で遊ぶのが少なくなってると思うんですよね。守られた安全な場所でないと遊べないと言う時代ですが、まだまだ奇妙で面白い場所や生活の中で芸能に触れて行くと言う可能性が長田にはまだまだあるなと思っています。ところで目黒さんは、この妖怪ショーをはじめて、ご自身のダンスに何か影響ありましたか?

目黒:ありますね、すごくあります。やはり回数を重ねているので、ダンスの本番の立ち方が変わってきました。なんて言えばいいんでしょうか。もちろん緊張しますけど、もうちょっとオープンになった感じはしますね、自分のなかで。例えばお客さんを見ていなくても、お客さんとコンタクトを自分なりにとっている感じがします。前はもっと閉じていましたし、自分のやる事で精一杯でした。それが全体を見れると言うか楽しめるようになりました。作品づくりに関してもお客さんにもう少し楽しんで欲しいと言う感じになりました。ユーモアを入れるとかそういう風に。客観的になって来たと思います。

「妖怪ショー!!」で対面して(観客の)目が全部こっちに向いていると言うのに慣れて来たのでそこで楽しめるようになりました。下手な怖さがなくなりました。

 

ーもちろん見ている作品は違いますが、観客としては、「妖怪ショー!!」を見ている時と目黒さんのダンスの公演を観ている時の集中具合と言うか、見方というのはそんなに変わらないですけどね。どちらにしても目黒さんを見ているわけですから。

目黒:あ、そうですか?私の中で喋ると言う事が入ってくるので自分ではかなり違いますね。なので、妖怪ショーやって良かったです。

ー「妖怪ショー!!」のもう一つの特徴としては、全部一人で出演も仕掛けも照明も音響もやってますよね。相当大変だと思いますが、そこも魅力の一つだと思います。

目黒:色々と大変なんですよね。新しいシリーズ第二弾もアイディアはたくさん出てくるのですが、それを実際に全部試すほどの資金もないですし。なので考えて考えて試すのですが、やっぱり失敗して結局お金はかかりますね(笑)。でも、「鳥の劇場」の赤羽三郎さんという、芸能系のセットを自分で作っておられる方がいて、その方にはアイディアをもらって手伝ってもらっていて助かります。

ー私は、忍者屋敷が好きなので、妖怪ショーの中にも出て来たら嬉しいですね〜。

目黒:あー僕もやってみたいですよね。忍者屋敷、いいですよね。基本アナログで出来たらいいですね。デジタルな部分は表に出さず、生の良さを出せる演出がしたいですね、そこは外したくないですね。

ーあと、「妖怪ショー!!」は狭い空間での公演なので、お客さんも作品と一体になる面白さがあると思います。大衆演劇的にお客さんの反応までが、作品となっている感じがいいですね。

目黒:それは期せずしてそうなっていますね。だって、子どもの反応みて笑ってるでしょ、田中さん?

ーそうですね、楽しくてしょうがないですね。子どもが怖がってる姿とか、本気で突っ込んでいる感じとかめちゃくちゃ可愛くて面白いですね。大人にもそういう反応を見れたら嬉しいですね。そういうのが許される場所と言うか。あ、でもあんまり喋られると困る時もあるんですよね(笑)。今までお客さんの反応で困った事はありましたか?

目黒:ありますよ。一つ目の妖怪が終わった後は、全部一人でやってるので、照明も音響のきっかけも時間で進んでるんですよ。少しお客さんに話しかけるのがあるのですが、そこで、あるお年寄りの男性が「あの頃はね〜」と語りはじめたときは焦りました。タイミングが合わなくなってくるので。そう言う時は「事情がありますので」とバスッと切らせていただきました。「後で教えてくださいね」と。それが2回ほどありました。そう言う時の対応は鍛えられますよね。

ーそうですか。普段生活していても、どっかでバスッと切らないといけないけど、失礼になるかもとなかなか言えない局面ありますよね。そう言うスキルは必要ですね。他にはありますか?

目黒:赤梨(という妖怪)のシーンで音楽が流れて来るじゃないですか、その時にある女の子が怖くて耳を塞いでいるのですが、それでも音が聞こえてくるので「お母さん、私の耳を塞いでーー!」と泣き叫んでいたらしく、私には聞こえなかったんですが、お客さんはその女の子に大爆笑で。その他のお客さんの笑い声だけがボーンと聞こえたので、後からその様子を聞いたんですが、赤梨どころじゃなかったみたいです。親御さんも一緒に笑っていたらしいのですが、親子で観に来てくれるとそう言うメリットありますね。保護者の方がいないと、そうなった時に困りますが。

あとは、システムが落ちた事があります。幸いはじめの方だったので、「すみません、ちょっと妖怪の仕業ですね」とかいいながら、やり直しましたが。

ー新しいアジアの妖怪が登場しますが、第二弾に向けて、今回の新長田の約1ヶ月の滞在中に新長田の妖怪が生まれる、または、出会うかもしれませんね!

目黒:また、そんなプレッシャーを(笑)。リサーチが必要ですね。図書館で調べたり、お年寄りにお話を聞くなどして。確か去年のみんなのフェスティバル「妖怪談義」の畑中章宏さんの話では、長田の近くにも妖怪スポットあると言う話でしたよね。長田はインターナショナルですし、人を受け入れる土地柄と言う部分では出会えるかもしれないです。

ーそれでは今年もとっても楽しみにしています!今日はどうもありがとうございました。

 

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目黒大路『長田に帰ってきたョ!妖怪ショー‼︎』

あの妖怪達が帰ってくる!2016年7月のロングラン上演では子どもたちの絶叫が屋外まで鳴り響いた!ギャー!〈現実〉と〈虚構〉の世界がユーモアと不気味さたっぷりに入り混じる。一度妖怪に出会ったのなら、貴方の日常にスルリと姿を変えて待っているかもしれません。さまざまな妖怪が次から次へと登場する妖怪ショー‼︎今回、アジアの妖怪が新たに登場するかも!乞うご期待!

上演時間:約40分

日時:

11月3日(金/祝)19:00、4日(土)11:00/18:00、5日(日)11:00

  10日(金)19:00、11日(土)11:00/18:00、12日(日)11:00

  17日(金)19:00、18日(土)11:00/18:00、19日(日)11:00

  23 日(木/祝)14:00/17:00、24日(金)19:00、25日(土)11:00

会場:駒ヶ林会館

ご予約はこちらから

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